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罰ゲームの履行



 どうしたものか。


 朝から悩み続けて今はお昼ご飯の時間だ、自分で作った弁当をつつきながら考えていると声が掛けられる。



「五久くん、なに悩んでるの~?」


「ああ、真由ちゃん、二人っきりになるには何処が良いかとおもって」


「二人っきりって、罰ゲームの? 五久くん積極的じゃん! 

そだ! 真由の部屋に連れ込んじゃえば?」


「えぇ~! で、でも私の部屋汚いし、お母ーさん居るし…」


「じゃあ、五久くんの部屋は?」


「いや、俺個人の部屋は無いんだ、住まわせてもらっている身だから」


「そういや、遠くから()してきたんだったな、親戚の(うち)にでも厄介(やっかい)になってるのか?」


「あーっと……婚約者の家なんだ」


「「「えっ!!」」」


「す、進んでるんだな…」



 婚約者と一緒に住んでいる、と言葉にするのはとても恥ずかしかったが、乃華さんの事を黙っている事や、嘘を付く事などしたくは無かったので、正直に話した。


 すると、この空気に耐えかねたのか、たねちゃんが唐突に提案してくる。



「だったら、ネットカフェとかいいんじゃない?」


「あー、なるほど、そこならいいね、

たねちゃんはネカフェはよく行くの?」


「まっ、まぁ、たまにね、(うち)ってパソコン無いからさー、アハハ…」


「へー、じゃあお店の場所とか教えてもえるか?」


「いーよー」



 それから、たねちゃんに詳しい場所や、時間毎の料金設定などを教えてもらい放課後を迎えた。



「よし、じゃあ行こうか、真由ちゃん」


「うっ、うん! よろしくお願いしましゅ!」



 着いた建物は1階が駐車場、2階の店内に入ると薄暗い雰囲気で、奥に行くほど暗くなっている。


 そしてこの暗い個室というのが、背徳的な興奮を一層高めてしまう要因となっている。


 何が言いたいのかというと、滅茶苦茶ドキドキするという事だ。





 一方その頃。



「おい! 本当に行くのか!?(小声)」


「あんただって気になるっしょ!?(小声)」



 五久と真由の後を、少し間をあけて尾行していた大地と狐兎子。


 あまりにも気になるので、付いてきてしまった。


 五久と真由が奥に消えて行くのを確認すると、店員さんに友達であることを伝え隣の部屋にしてもらう。


 急いで部屋に入り、壁に耳を押し付けること数秒後、二人の会話が聞こえてくる。



「なんか緊張するね…」


「おっ、おう…」


「大丈夫? 五久くん、無理してるんだったら…」


「いや、大丈夫だ、むしろ真由ちゃんにだったら、いくらでも触って欲しいくらいだから」


「本当に? 嬉しいな~」


「じゃあ…脱ぐぞ…」


「わぁ…スゴイ…触って良い?」


「ああ、良いよ」


「うわぁ…凄くカタいね」


「うぅん…ソコはくすぐったいだろ」


「ふふっ、ごめんごめん、じゃ~コッチはどうかな~?」


「ソコからはダメだって、あっ、コラッどこ触って…」



 壁に耳を押し付けた大地と狐兎子は、顔を真っ赤にして視線を合わせるも、あまりの気恥ずかしさに逸らしてしまう、という行為を何回か繰り返していた。



「なにコレ、ナニが行われてんの?」


「俺が知るかよ…」



 その後時間いっぱいまで、中腰で壁に貼り付け続けた二人は、身体中バッキバキになって起き上がることが出来ず、時間延長を余儀無くされた。



「なにしてんの、わたし達…」


「だから、俺が知るかよ…」



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