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4人でボウリング



 初日は授業も無く、それぞれ自己紹介などをして早めに終わり、何事もなく放課後になった。



「さぁー! しゅっぱーつ!」



 放課後4人で集まり、ボウリング場へと向かう、最初はカラオケなどの案もあったのだが、俺が歌える歌が無いので却下した。


 流石に、歴史の人物、偉人や有名人など、もとの世界とは全然違うので歴史の授業は大変だろう。



 まぁ、今はそんな事より楽しまなくては、その為に乃華さんから多少のお小遣いを貰っている。


 だが甘える訳にはいかないだろう、前の世界から持ってきた物を売ったとは言っても、高校の入学費や授業料、衣服や携帯代など必要経費諸々で、底をつきかけているハズ。


 近々バイトしないとな、と考えている。



「だからこそ今日は思いっきり遊ぶのだ」


「おっ! やる気満々じゃん! じゃあ勝負しようよ! ビリになったら罰ゲームねー!」


「はっ! いいぜ! 今日でどちらが上かハッキリさせてやるぜ!」


「えー! 勝てるわけ無いよ~」



 こうして1位が最下位に何でも命令出来る、1ラウンド限りの罰ゲーム対決が始まったのである。


 順番はジャンケンによって決定、

 1番 大地

 2番 五久

 3番 真由ちゃん

 4番 たねちゃん

 の順である。



「よーし! 見てろよ、たね! 俺の豪快なストライクを!」


「はいはい、お約束お約束」



 そして案の定のガター。



「アヒャヒャヒャヒャ! さっすが大地! ナイスー!」


「くっそー!」



 たねちゃんがハイタッチしようと突き出した両手を、はたき落としふて腐れる大地。


 2投目は6ピンを倒した、そして回ってくる俺の番。



「うーむ、やっぱり久しぶり過ぎて、勘が鈍っているな」


「五久くん、ナイスだよ~」



 2回投げて結果は8ピンだが、女の子の声援を受けると、とても嬉しい。


 3番目は真由ちゃん、一番軽い球を持つとレーンの近くまで歩いて行き、足の間から投げた、いわゆる子供投げである。



「あ~、両方の端っこが残っちゃったよ~」



 案の定スプリットは取れず8ピンで終了した。


 さて次はたねちゃんである、彼女は自信満々な上に運動神経も良さそうだ。


 俺はたねちゃんの一挙手一投足を観察した、そう、頭のてっぺんからつま先まで、全体を、じっくりと、見た、いや見過ぎてしまったのだ。


 たねちゃんは制服のまま、しかもミニスカートだ、さらに、たねちゃんの投球フォームは、最後に後ろ足を跳ね上げるものだった。


 そう、見えてしまったのだ、しっかりと、柿色と白のしましまパンツが!


 「イエーイ!」とストライクを取って満面に笑みでハイタッチをしてくる、たねちゃんに少し顔を赤らめながら耳打ちをする。



「投げた時、パンツ見えてるぞ」


「えーなに、五久くん、わたしのパンツなんかに興味、あるのかなー?」



 すると、あろう事かたねちゃんは、少しビックリした後、ニヤニヤしながらそんな事を囁き返してくる。


 まさか見られても何とも思わないのかと思ったが、よく見るとたねちゃんも顔を赤くしている。


 そんな顔を見られては、こちらもより興奮してしまい「ああ、そりゃあ…もちろんだろ」と、言ってしまった。


 それを聞いたたねちゃんは、顔を真っ赤にしてあわあわしてしまった。



 それ以降、俺の視線が気になってしまったたねちゃんは、フォームが崩れて散々な結果に。


 大地は8ピンや9ピンを倒すものの、スペアやストライクが出ず平凡な点数。


 俺も調子が取り戻せず、今までで一番悪いスコアだ。


 ビックリしたのが真由ちゃんである、なんと中盤ストライクを2連続で出したのだ。


 そう、最終順位はこうなった、

 1位 真由ちゃん

 2位 大地

 3位 たねちゃん

 4位 五久


 俺もパンツに、かなり動揺していたらしい。



「やった~、私が1位だ~、五久くんに何してもらおっかな~?」



 ぴょんぴょんと飛び跳ねて喜ぶ姿はとても可愛らしく、何でもしてあげたくなってしまう。


 すると、たねちゃんが真由ちゃんに耳打ちをし始めた、見る見る赤くなる真由ちゃんの顔。


 俺に対する意趣返しのつもりだろうか、とても恥ずかしい事をさせる気のようだ。


 それは、ご褒美です。



 意を決した真由ちゃんが俺に近付いてくる。



「え~と~、いっ、五久くんの……五久くんの腹筋!触らせてくだしゃい!」



 一瞬そんなもので良いのか? と思ったが、男子が女子にすると置き換えれば、確かに難易度が高い。


 だが俺の感覚では、女子に触られる事はなんら抵抗が無いので、気軽に触らせてあげようと思ったのだが。


 顔を赤らめながら必死にお願いしてくる姿を見ていると、俺まで恥ずかしくなってきた。


 なので、



「後で、二人っきりの時にな///」


「「「え! えぇえぇぇえ~~///」」」



 俺としては、人目があると恥ずかしいので、誰も見ていない所で触ってもらおう、と思っての言葉だったのだが。


 言った後の3人の反応から、だいぶ恥ずかしい事を言ってしまったと自覚した。



 その後は、みんなの顔が見れず終始うつむき加減で行動。



「じゃっ、じゃあな///」


「おっ、おう///」


「はい~///」


「まっ、また明日ね!///」



 と、みんなも顔を赤らめながら帰路についた。



 やっぱ青春って良いな!

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