家庭教師 上
主人公の将来の夢を、だんだんと確立していけたらなー、と思っています。
バーで、バイトをしていたある日のこと。
常連客の一人、東 雨美さん(37才、家庭を守るキャリアウーマンである)が、愚痴をこぼしていた。
「家の天子ったら、テレビや雑誌ばかり見て、勉強しようとしないのよ! この間も男性の下着カタログばっかり見て、一向に勉強しないものだから、足四の字固めしてやったわ!」
「アハハ、最近の子はオマセさんですね、たしか東さんのお子さんは、小学校6年生でしょう?」
「そうなのよー、来年は中学生だっていうのに、勉強について行けるか不安になるわ…家庭教師でも雇ったほうが良いのかしら?」
「そうですね、あんがい男性の家庭教師をつければ、バリバリ勉強するようになったりして、ハハッ、なんて…」
「それよ!」
「え? え?」
「年中ピンクな妄想してるエロガキだもの、カッコイイ男の子が一緒に勉強してくれるだけで、頑張りそうだわ!
…ねぇ、五久くん? お願いがあるんだけど…」
「…なんでしょうか?」
「天子の家庭教師をやってくれないかしら? もちろん給料は払うから!」
「えぇー! なんとなく予想はしていましたが、俺、人に教えた経験なんて無いですよ?」
「いいのよ、横にカッコイイ子が居る! っていう事が重要なんだもの、勉強は教科書見ながら問題でも出してあげれば十分よ」
ああ、まぁ確かに、男子学生が女性の家庭教師に勉強を教えてもらえるなんて、夢のような状況だ。
俺も、女子大生の家庭教師なんて来た日には、猛烈に勉強することは間違いない。
東さんから、とりあえず一日お試しで来てくれとお願いされ、今度の休日に東家にお邪魔することになった。
◆
「家庭教師なんて、いらない…わたしは、出来る子」
夕食後に、大事な話があると言うので呼び出されてみれば、家庭教師を雇うことにしたと言う。
何という事を、真理(男性)の探究に忙しい私の時間をさらに削ろうなどと。
断固反対しなくては!
「なに言ってんの、5年生最後のテスト、点数下がってたじゃない」
「うっ! それは…たまたま…」
くそぅ、痛いトコロを突いてくるじゃないか… ふっ、だがそんなものは、わたしにかかればスグに取り戻せるさ!
「それに家庭教師の先生は、カッコイイ男の先生よ!」
「ハイ! 家庭教師の件、是非ヨロシクお願いします!」
それを先に言ってよママン!
なんてこった、まさかエロ本みたいなシチュエーションになるとは!
えっと、準備しなきゃいけないのは、勝負下着と、ビデオカメラと…
家庭教師モノのエロ本を、発見されやすい場所に置いとこうかな… ああでも、わたしの年齢じゃ売ってもらえないかー…
◆
そんなこんなで家庭教師当日、準備は万端。
ちゃんと朝風呂に入って、カラダを綺麗にした後、勝負下着を着用して、ハンディカムもヌイグルミの間にわからないよう設置した。
さあ! あとは件の家庭教師をまつばかり!
ピンポーン!
「天子ー、家庭教師の先生が来てくださったわよー」
来た!!
「わ! わかった!」
玄関まで、走って降りて行くと、そこに立っていたのは、背が高く、清潔感あふれる、笑顔がさわやかな、まさに好青年といった男性だった。
わたしは、その光景に息をするのも忘れて見入ってしまっていた。
「名前は、遠山 五久だ、よろしくお願いするよ」
笑顔でさし出された手を両手でにぎり返し、精一杯の返事を返す。
「あ、東 天子です、す、すえ永く、ヨロシクです」
「ハハ、天子ちゃんは面白い子だね(ナデナデ」
あ、アタマを撫でられてしまった、確か雑誌に、髪の毛をさわるのは、セッ○スよりもあとだって書いてあった。
つまり、五久先生とわたしは、もうそれ以上の関係ってこと!?
「あわわわわわ……」
「もう! この子ったら、正気に戻りなさい!」
「へぶぅ!」
母さまからの脳天チョップをくらい、妄想から引き戻されたわたしは、先生と一緒に自分の部屋へ入る。
いつも使っている部屋だというのに、先生が居るだけで、まったく別の空間になってしまったかのようだ。
ドキドキして落ちつかない。
「じゃあ、勉強を始める前に、天子ちゃんの得意な科目と、苦手な科目を聞いておこうか」
勉強机に座ったわたしの横で先生は、おもむろにメガネを掛けながら聞いてきた。
「は、はぅ、メガネ…」
「実はコレ、だてメガネなんだ、家庭教師っぽいだろ?」
などとイタズラっぽくウインクしながら教えてくれた、先生はどこまでわたしをトキメかせれば気がすむんだろう。
メガネ教師なんて大好物だよおぉ! 先生グッジョブすぎるうぅぅ!!
「カッ、カッコイイ…です」
「フフ、ありがとう、凄く嬉しいよ(ナデナデ」
ああ、ダメだわたし、このままじゃ嬉死しそう!




