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体育



 次の授業は体育だ、そして体育の授業にはいつも感謝している。


 なぜか?


 この世界の女性は羞恥心があまり強くない、すると何が起きるのか…いやこの場合は起こらなかったと言ったほうが正しいのか。


 それは何かと言えば、女学生の体操服! 伝統の体操服がこの学校では受け継がれているのだ、そう、ブルマーが!


 体育の授業のたびに、俺に幸せを届けてくれる天使達、だが俺は与えられるばかりでは心苦しくなる。


 かの偉い人も言っていた”与えよさらば与えられん”と、まぁそんな偉人は居ないが。



 なので俺は、体育の授業では特に、肌が露出するように心掛けている。


 こちらをチラ見してくる女子も、順調に増えた、これでお互いにwin-winの関係だ。


 だが基本、体育の授業というものは、だいたい男女別で行われる。


 男子と女子で、グラウンドと体育館に別れた時には、悲嘆に暮れたものである。



 だが今日の授業はレクリエーション、何をやっても良いという、教師の有り難いお言葉を受けて、俺は迷い無く女子に混ざりに向かった。



「やぁ、早馬(そうま)さん、何をやるか決めたかい?」


「ん? 遠山か、あたし達はバスケやろうと思ってんだけどさ、人数が後二人足りなくてね、どうしようかって…」



 この女子は早馬 蘭(そうま らん)さん、黒髪、短髪で、身長176㎝くらいだろうか、筋肉は付いているが引き締まっていて、脚はスラリと長く出るとこは出ていてスタイルが良い、運動神経の良いスポーツ女子といった感じの女の子だ。


 レスリング部所属で7月には最後のインターハイが控えているらしい。


 どうやら混ざるチャンスのようなので、これ幸いと名乗りを上げよう。



「なら俺が入ってもいいか? なんならバランスを取る為に大地も誘おう」


「お、あたしらと一緒にやりたいなんて、物好きだね、まぁ、あたしらは有り難いけどね」


「よし、交渉成立だな


おーい大地! 一緒にバスケやろうぜ」


「おう、バスケは良いが、何で…」


「何だ大地、俺に負けるのがコワイのか?」


「なんだと! いいだろう、その挑発、受けてやろうじゃないか!」


「いいねぇ、やる気十分じゃあないか、ならまとめて掛かってきな!」


「おい、何故そんな話になる?」


「ふんっ、あんた達二人とあたし一人で、ちょうど釣り合いが取れるっていってるんだよ」


「おいおい、言ってくれるぜ、これは受けて立つしかないようだな、大地さんよ」


「当たり前だ! ここまで舐められちゃあしょうがねぇ!」



 俺達は体育館の隅にある、バスケットゴールの下で3on3を開始する。


 うちのチームの中で、一番背の高い大地をゴール下に配置し、俺ともう一人の女子が前に出る。



「さぁ来い、早馬さん」


「はっ、さん付けはいらねぇよ遠山ぁ、止められるもんなら止めてみな!」



 早馬は、俺からボールを受け取ると同時に突進を開始、俺の右側を抜こうと身をかがめる。


 利き手側だった為に咄嗟に手が出るも、見事なフェイクで左側を抜かれてしまった。



「クッソ! 頼む大地!」



 ゴール近くでのジャンプシュートかと思いきや、大地の渾身のジャンプを嘲笑うかのようなパス。


 そのまま得点されてしまい攻守交代、速攻を狙って大地からのパスを受けた俺は、果敢にもドリブルでゴール付近まで切り込む。


 目の前には早馬! 先程の雪辱を果たす為にフェイントシュートからのパスを仕掛ける!



「フッ!」


 バシン!



 軽快な音を立ててカットされるボール。


 早馬の手は、まるでボールに吸い付くように動いていた。


 完全に手の内が読まれている、これは分が悪い、俺は身体能力では全く勝てず、大地の方も愚直なヤツなので裏をかかれると弱い。


 ここは何か奇策を考えねば勝ちは無いだろう。


 まぁ、とは言っても俺の武器は一つしかない、そう、色仕掛けだ。



 ボールがコート外に出てしまったので、仕切り直しだ、またもや俺が早馬にボールをパスする所から始まる。


 俺の目の前にいる早馬は、俺の一挙手一投足を見ている、試しに風を取り入れる振りをして、胸元を見せつけるようにパタパタしてみる。


 先程までは俺を見ていながらも、コート全体を意識していたハズの早馬の目が、今は一点に注がれている。


 その隙を突いて、素早くボールをパスする。



「あっ!」



 呆けていた所にパスをされて、ビックリしている間に俺に接近された事に慌てた早馬は、焦ってパスをしてしまい、俺達のチームがボールを奪う事に成功する。


 その後も、あらゆる色仕掛けを続けた、襟元からじゃなくてヘソチラしながら扇いでみたり、わざわざお腹の部分を捲り上げて顔の汗を拭ってみたり。


 まぁ、チクビ近くまで捲り上げた時には、味方の女子まで動けなくなっていたから、諸刃の剣だったが。



 その甲斐あってか、3対3の同点、大地が2得点で女子生徒が1得点、さすが大地、素晴らしい身体能力を見せてくれた。


 お前はどうしたんだって? やっぱ練習してないと、そうそう入るもんじゃないね。


 そして残り時間は後30秒、今回はインターバル無しの15分一本勝負だったので、もはやバテバテである。


 早馬の相手は、大地と入れ替わり立ち替わりやっていたが、他の女子達もよく動くので、もう限界が近い。



 今回は、大地から早馬へのパスで再開、早馬は直ぐさま右側へパス。


 パス直後に、大地を躱してゴール下へ走り込む、そこでボールを受け取りレイアップシュート。


 3対4


 大地は急ぐ、ドリブルで2ポイントラインまで戻ると、女子生徒へのパス、速攻の2ポイントシュートを決めガッツポーズ女子!



「いよっしゃ!」


「ナイッシュー!」



 5対4


 残り時間15秒、焦った敵チーム女子の早馬への乱暴なパス、勿論ここは読んでのパスカット…


 しようとしたのだが、俺にボールを取られまいとした早馬が、無理矢理カラダをねじ込んできたものだから、脚の踏ん張りが効かない俺は、早馬を巻き込みながら転倒!


 仰向(あおむ)けの俺に、早馬が(おお)(かぶ)さる形になった。


 何処かの漫画のように、俺の顔の上に被さってくれれば有り難かったのだが。


 その大事な、柔らかき巨峰は(すね)の上に、手は俺の腰をガッチリと(つか)んでいる。


 そして頭は、俺の股間にズッポリと(うず)められていた。



「……」


「……」



 早馬は何故か起き上がらないし、周りの皆も声を掛けてこない、何とも言えない空間が数秒続いていた。


 その間中思っていたのは。



(コレジャナイ)



 であった。



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