#1 勇者誕生!(強制イベ)
ーーー目醒めよ勇者、悪しき大魔王を討ちこの世界に平和をもたらしたまえーーー
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目覚まし時計の調子が悪いのか、いつもはバカみたいにチリリリなってる目覚ましが訳のわからない事を言い始めた、おかげで最悪の目覚めランキング1位更新だよチキショウめ
俺の名前は「タナカ」らしい、よく「ああああ」や「う○こ」などという名前をつけられる夢をみるときがあるが、いくら夢でもさすがにキツいからね、みんなそんな名前つけちゃダメだよ!
そう思えばタナカはいい名前ではないか、シンプルイズベスト
そんなことを考えていると1階にいる母親からの忠告(うるさい)が聴こえてきた
「タナカ、あんた王様に呼ばれてたでしょ!早く準備してハジマリ城に行きなさい!」
母親にまでタナカっていわれたり、ハジマリ城とかいうバカげたネーミングとか、突っ込んだら負けな気がする
だが、呼ばれたのは事実だし、仕方なく俺は身支度を整え、ハジマリ城に向かうことにした。
本音を言えば行きたくはない、面倒事は避けるのが俺の流儀だ、なのに「行かねばならない」という謎の感覚が俺を動かす、これが主人公の性というものか、まったく主人公は辛いぜ。
家を出て(いやいや)ハジマリ城に向かう、いつもと同じ代わり映えのしないつまらない景色、城下町なのに活気の一つもない、店は少ない、街の人は同じ事しか話さない鍵かけない。
文句を挙げればキリがないが、そんな国の主さんに会いに行くんだからお口にチャックをしなければ、門番さんにサクッと殺られちゃいそうだしね、いのちをだいじに。
「タナカ様ですね、お待ちしておりました。どうぞこちらへ。」
城に着くと門番さんが出迎えてくれた、名乗ってもないのにタナカって言ってくるなんて、オレオレ詐欺に引っかかりやすいタイプの門番さんだね。
門番さんに連れられ王様の部屋の前まで来た、一体俺はどんな無理難題を突きつけられるのか、まぁ相場は決まってるけど、多分アレだろ?魔王がどうとかいう、アレだろ?
楽しみ0.4% 帰りたい99.6%で俺が部屋に入ると、結構前から待ち構えてたであろう王様が口を開いた
「よく来たな、勇者よ。」
勇者じゃなくてタナカなんだけど
「よく来たな、勇者よ。」
あぁ、意地でも俺を勇者扱いしたいのね、、、めんどくせぇな王様
「勇者よ、貴様に魔王の討伐を命ずる!」