初めて会った日
私とコロンが出会ったのは、6つか7つの頃だったかな。
行商人をしていた父の親友が、旅の途中で拾ったらしいの。
身体の弱いコロンに合わせて、この村に定住することにしたんだって。
― ほら、挨拶は?
父が私の背中を押す。
―こ、こんにちは!!
ちょっと緊張した声が出た。
ベッドの上のその子は、寝起きのような表情でこちらを振り替える。
― …こん…にちは。
消え入りそうな声で返事をする。
― 見つけたときはとても衰弱していてね。あれでも大分良くなったんだよ。
コロンがまた眠ってから、おじさんが言った。
― 良かったら、また、遊びに来てくれないかな?
私は、もちろん!と、そう答えた。
絵本から出てきたような、かわいいお姫様。
私にはコロンがそう見えた。
長くて綺麗な金色の髪。薄い桃色の唇。吸い込まれそうな瞳。
初めて会った彼女に、私は心惹かれていた。
―今日もコロンのところに行こうかな。
ベッドから降りて顔を洗いながら考える。
日はもうそろそろ真上に近いくらいだ。
―お父さんも、起こしてくれればいいのに!
すでに仕事に出ている父に、心のなかで文句を言う。
コロンは段々と元気になっている。
―そのうち一緒にお出掛けとかできるかも!
そんなことを最近は考えている。
――そんな日がいつかきっと来るんだって、そう信じてた。今だって…夢見てる。