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夢と秋桜  作者: ゆきわた
6/15

初めて会った日

私とコロンが出会ったのは、6つか7つの頃だったかな。

行商人をしていた父の親友が、旅の途中で拾ったらしいの。

身体の弱いコロンに合わせて、この村に定住することにしたんだって。



― ほら、挨拶は?

父が私の背中を押す。


―こ、こんにちは!!

ちょっと緊張した声が出た。


ベッドの上のその子は、寝起きのような表情でこちらを振り替える。

― …こん…にちは。

消え入りそうな声で返事をする。



― 見つけたときはとても衰弱していてね。あれでも大分良くなったんだよ。

コロンがまた眠ってから、おじさんが言った。

― 良かったら、また、遊びに来てくれないかな?

私は、もちろん!と、そう答えた。


絵本から出てきたような、かわいいお姫様。

私にはコロンがそう見えた。

長くて綺麗な金色の髪。薄い桃色の唇。吸い込まれそうな瞳。

初めて会った彼女に、私は心惹かれていた。



―今日もコロンのところに行こうかな。

ベッドから降りて顔を洗いながら考える。

日はもうそろそろ真上に近いくらいだ。

―お父さんも、起こしてくれればいいのに!

すでに仕事に出ている父に、心のなかで文句を言う。


コロンは段々と元気になっている。

―そのうち一緒にお出掛けとかできるかも!

そんなことを最近は考えている。



――そんな日がいつかきっと来るんだって、そう信じてた。今だって…夢見てる。

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