小さな出会い
辛いことが一気に思い出してしまった。健人の心は、もうボロボロで今にでも崩れそうだった。
涙で地面は、濡れていてだんだん目が痛く腫れているのがわかった。
『人に見られたら嫌だな。』健人は、まだ止まらない涙を思いっきり服で拭き立ち上がった。狭い道をゆっくりと歩いた。
人にあまり見られないように涙が出ないように健人は我慢をする。
目が腫れていてよく周りが見えていなかったのかどうやら道が違っていたようで公園が目の前にあった。
『どうしよう。』健人は、困っていた。自分が落ち着くまで公園で隠れていようと考えた。
公園に入って、隅っこのベンチまで歩いていると小さい声が聞こえてきた。
健人は、小さい声がする方へ近づいてみた。
『にゃー。』小さな猫がダンボールの中でお腹をすかしているのか鳴いていた。
『にゃー。にゃー。』小さな猫は、健人に気づいたのかさらに鳴きはじめた。
『お前も捨てられたのか。俺も捨てられたんだ。辛いよな。』健人は、鳴く小さな猫の頭を撫でた。小さな猫は、嬉しそうに鳴いた。
『俺たち、一緒なんだな。』健人は、小さな猫を抱っこした。健人の顔を小さな猫はすりすりしすごく懐いた。
健人の涙が止まっていた。しばらくの間、小さな猫を抱っこしてすごく落ち着いたのだった。
小さな猫も健人に抱っこされて暖かいのか可愛いい寝顔で寝ていた。
『可愛いいなあ。もうこんな時間か。帰ろう。』帰ろうと小さな猫をダンボールに戻そうとするが目が覚めた小さな猫は、嫌がって健人から離れなかった。
『俺は、帰らないと。』そう小さな猫に言いダンボールに戻そうとするが嫌がって健人に鳴きはじめた。
『…バイトしてればなんとかなるか。』健人は、小さな猫を抱っこしたまま公園を出た。
小さな猫は、またすやすやと眠りについた。
『俺とお前は、1人じゃなくなったな。』泣いていた健人も今は、落ち着いている。抱っこしていると自分までも癒された。
『ありがとうな小さな猫。』辛かった事も苦しいことも今は、小さな猫が癒してくれていて健人は寝てる小さな猫にお礼を言った。
迷っていた道ももとの道に戻れて、ゆっくり小さな猫が起きないように家まで帰っていった。
健人の傷は、ほんの少し癒えたように思えた。
『帰ったら、お前のご飯あげるからな。』健人は、大切に猫を抱き寄せた。