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孤独を嫌う少年  作者:
8/11

傷ついたことは

一人ぼっちになった健人。

健人は、一人になるといつも思い出すことがあった。健人の家庭は幸せな家庭とは呼べなかった。健人は、小さい頃に父親に捨てられたのだった。

そのころの出来事は、すごく覚えていたのだ。帰りが遅くなっていた父親に母親は不安になっていた。朝に帰ってくることや携帯がロックされていたりプレゼントのようなものも見えた。父親は、母親を避けた。母親は、不安やストレスが限界になっていたのか病気になってしまった。

父親は、母親の見舞いも行かず心配すらしなかったようだった。

病室で一人泣いていた母親に健人は、母親の隣でずっと見守る。


母親が中々治らないことに父親は、ある日母親の見舞いにきた。

だが、見舞いとは心配してくるものだと誰もが思った。父親は、母親に封筒を渡し健人を見て言った。

『俺は、こんな子供産んだ覚えはない。』静かな病室で、父親の言葉が響いた。

病気で苦しい母親は、泣き叫び、過呼吸になってしまった。

大好きだった父親に言われたショックに健人は、声すら出なくなり涙が溢れ出ていた。


いっぱい抱っこしてくれたあの暖かい父親の温もり。

一緒に寝てくれたあの安心感はもうないのだとかなりのショックと息苦しくなった。

涙が止まる頃には、父親はいなかった。居たのは、泣き叫び過呼吸になった母親と病院の看護師さんと目を真っ赤にした健人だった。


健人の家庭は、崩壊していた。

健人も母親もズタズタに傷つきしばらく物を食べることが出来なくなった。

母親は、精神状態が安定せず病室で寝ていることができなかった。どこにいても落ち着かず歩き回っていたのだった。


健人は、父親の姿を思い出すだけで涙が出てしまいトイレで閉じこもるようになってしまった。

健人の気持ちが、癒えるのはどれぐらいの時間がかかっただろうか。

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