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孤独を嫌う少年  作者:
7/11

不安は大きく

そんなある日のこと、大きくなっていた不安が現実に起きてしまった。


いつもなら待ち合わせ場所に由眼の姿がなかった。遅れてくるのかと待っても来なかった。今までこんなことはなかった。健人の不安で押しつぶされそうになり目は、涙をこらえるので必死だった。

事故でもあったのか、巻き込まれてないかといろいろ不安になりだした。ポケットに入れてある携帯を取り出し電話をかけた。

『お留守番サービスに接続します。』由眼は、電話をかけても出なかった。不安しかない。健人は、由眼の家へ向かうことにしたのだ。

どうしたのだろう、なぜ電話に出ないのか、由眼のことを思うと心が痛くなり涙をこらえていた目が涙で溢れ出た。

歩いていた足が早足になり、不安が大きくなるほどに足が歩くスピードが上がっていく。

泣きながら、走る健人は周りの景色などは見えていない。由眼のことしか見えていないのだ。


由眼の家まで、あともう少しというとこに探していた姿が見えた。

由眼ともう一人、涙のせいであまりわからなかったが男の人がいたのだ。

『由眼…なんで』健人の言葉に由眼が振り向いた。

『由眼と仲良くしてくれた人?』なぜか由眼じゃなく由眼の隣にいた男の人が健人に話しかける。

『俺は、由眼の元カレだ。由眼から君のことを聞いた。由眼のことありがとう。だけど、由眼は俺といることにしたんだ。君には本当に悪いがわかってくれないか。』健人は、目の前にいる男の人の言葉が理解できなかった。元カレがなぜ由眼といる、なんで元カレが由眼といるんだ、わかるわけないだろと健人は由眼を見た。

由眼は、なぜかうつむいたままこっちを見ようともしない。

『君にはわからないこともある。由眼の気持ちを受けとめられるのは君じゃない。わかってくれ。』健人の何かがきれた。

『由眼は、なんで黙ってるの?俺を馬鹿にしてたのか?今更諦めてくれ?あの時の言葉はなんだったんだよ。由眼、答えてくれ。』由眼は、健人の言葉に反応もせずうつむいたまま黙っている。由眼が別人になったようだった。


健人に何も言わず、由眼の家へ男性と由眼は進み出した。健人は、崩れ落ちた。狭い道の真ん中で、うずくまり涙が止まることがなかった。

見えていた由眼の姿も見えなくなり、涙を流している健人一人ぼっちになっていた。


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