表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

寂しがりやの私は誰も好きになれないけれどあなたとキスをする

作者: 猫柳美鳥

 父親おとこへの憂さを、素人童貞おとこに抱かれることで晴らすなんて皮肉なものね。

 ビッチ、売女、悲劇のヒロイン気取り。アタシのブログには毎晩そんな文字が躍る。

 女は身体を売ればいいんだから、人生イージーだよな。そう思うんだったら生き抜いてみればいい。身体を投げて打って、命を燃やしてみればいい。

“詮索する人、家庭を匂わす人とは寝ません。童貞のみメッセ可。

↓のアドレスの☆を@に変えて送信するべし”

 アタシはそんな謳い文句で春を売り、そのレポをブログに記している。

“ねちっこいのはマイナスにはならない。むしろ擦れてない感じがGOOD”

 そんな記事を投稿すると、早速冷やかしのレスが沸く。

 ボクのことも筆おろししてほしいなー、なんつって(笑)

 おえーwwwww勘違いBBA乙。

 キリスト教に入会しませんか? きっとイエスはあなたを救ってくださることでしょう。

 神なんて信じていない、と言いたいところだけど、アタシには人生で一人だけ神かもしれないと思えた人物がいる。でもその人はさっさと田舎を出て東京に行ってしまったし、何より女神と付き合っている。可愛くて、スポーツも出来る女神と。アタシなんて戦う前から負けている。

“男が嫌いだ。でもセックスはしたい。したくないけどしたい。

後から空しさが襲ってくるとしても、せずにはいられないのだ。”

 賢者タイムの話ですか?

 それな。

 あたし女だけど唾液を交換したり、性器を舐めたりするなんて気が狂ってると思うの。

 父は絶対だった。どんな些細なことで気を悪くするかわからない。母は麻痺してしまったのではない、可哀想な妻は存在しなかった。ただ母も、女として男に愛され、支配されたいという本能に従っていたのだ。優しい母も所詮動物なのだ。

 君は悪い人ではないんじゃないかな、ただ不器用なだけで。

 年に一回くらい聖人君子の奇特な人が、こういうコメントをしてくる。

心は別に動かない、と言いたいところだが。彼と結婚する人は幸せになれるのだろう。中学のときに壁を殴って開いた穴が今もそのままとか、何人と性交したとかそんなことばかりいう人ばかりではないのかもしれないし、そうではないのかもしれない。でも案外アタシなんかを妙に美化してるところから、ストーカー殺人なんかを犯す懸念がある人なのかもしれないな。誰も信じられない、誰も愛せない。でもアタシは寂しがりやだから。だから童貞あなたとキスをするのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 荒れてますなあ 心のひだから刺が 出てそうです 怒りが行間から 滲み出ています オブラートに 包むことで 作品に音律が発生し メロディーが 刺を隠してくれるのではと 最もその棘のせ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ