現夢
恋しい人の影
夢のなかで追いかけて
愛しい人の声
夢のなかじゃ聞こえない
吸い込まれそうに
貴方の笑顔見つめる
その幸せが許されない
そんな僕は現夢の渦に
渦の真ん中
台風の目
そこにはなにもないからこそ
全てが見えてしまうんだ
全てが耳に届くんだ
目に見えない現を見て
声にならない夢を聞く
真ん中だから平気だよ
中立だから見守るよ
そっとつぶやくその声も
渦にのまれて消えてゆく
渦の外から見て御覧
僕の事は見えている?
一番辛いはずの僕
その姿は誰にも見えず
その悲しみは夢現に続き
被害者面のその渦は
もう何も見ていない
それが愚かな幻実であると