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代わりばんこに書くって
面白いけど、大変だな・・・。と感じました。(友人)
俺とみうとの、友達以上恋人未満の関係はしばらく続いた。
みうは、相変わらず女性の方が好きみたいだった。
そのおかげなのか、最近は俺より沙織と遊ぶ方が楽しいようだ。
そんなある日のことだった。
俺は、学校の授業を終えて一人で帰ろうとしていたときだった。
俺が下駄箱の扉を開けると、自分の靴の他に一枚の封筒が入っていた。
「なんだこれ? 封筒?」
俺はしばらく、それを眺めた後、裏返してみた。
するとそこには……
『輝也さんへ ♥』
と書かれていた。
「こ、ここれはも、もしかして、ら、ラブレターというものなのか?」
そう、俺の下駄箱にラブレターが入っていたのだった。
「ほ、本当にこれがラブレターなのか? 知識でしか存在を認知していないから確信はできない。いや、それ以前に俺には、み、みうがいるんだぞ。あっ、でももしかしたら、みうとはこのまま終わる可能性もあるだろうし、ここは、予備として抑えていてもいいのでは? いや、それ以前にこれがラブレターであるかどうかも確信してもないし……」
「お兄ちゃん、どうしたの? 下駄箱の前でおどおどして」
「何を持っているのですか?」
「げっ! みう、沙織…。い、いやなんでもないよ!!」
俺は慌てて封筒を後ろに隠した。
「何、慌ててるの? まるで私達には見せられない物を手に入れたような反応して」
「それに、今、『げっ!』と言いました。それに、両手を後ろにして何かを隠したかのように見えました」
「えっ? あっ! いや、別にお、お前らには関係ないものだ」
「ふ~ん。あやしいな。お兄ちゃん!!」
「確かに、何故か冷や汗のようなものも出てます」
「「じぃーーー」」
「え、えっと。あぁ、そうだった俺、トイレに行くんだった。忘れてた! そ、それじゃあな」
俺は、そそくさと逃げた。
「はぁ~。ったくあいつら、意外と侮れないな・・・」
トイレの個室に入りこんだ俺は、そう呟き、今一度、封筒を見る。
「………やっぱり、中身を確認しないとな」
俺は、封筒を開けて、中にあった手紙を取りだし広げた。
『拝啓 輝也様。
以前より貴方のことを
気にかけておりました。
つきましては、本日の放課後。
体育館裏へ来ていただきたいと思います。
敬具』
「宛名は無しか。何だか怪しくなったな。でも、どう見ても俺に向けての手紙だし。しょうがない。行ってみるか」
俺は、トイレから出て、みうと沙織に注意しながら
体育館裏へ向かった。