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「読んでしまったんですね」
背後から聞こえた声に気づき振り返ると・・・。
みうさんがいた。
「読んで………しまったんですね!」
先ほどよりもやや大きな声でしゃべりだした。
「え、えっと、こ、これは……か、カバー!そうカバーがカワイイなぁと思って手に取っただけで」
「その、何も描かれていない封筒のような色のしたカバーが可愛いんですか?」
「ギクッ」
「それに私ははっきりみました。一ノ瀬君が本を開いているところを」
「そ、それは……」
みうさんの声にどんどん、ドスが効いている。ように聞こえた。
「ご、ごめん。つい出来心というか。ちょっと気になっただけで……。ま、まさか中身がこ、こんな。ガールズラブだとは思わなくて」
「やっぱり見たんですね・・・」
「いや、だからごめんって」
「………って……ださい」
「えっ?」
「責任取ってください!!」
「え、えぇぇぇぇぇぇ」
まさかの答えが返ってきて、普段静かな図書室で、叫んでしまった。
「せ、責任って……」
「あ、あなたは私の秘密を知ってしまった。ですから……」
「ですから?」
「で、ですから……。一ノ瀬くん。あなたの秘密も教えてください」
「へ?」
「だ、だからあなたの秘密も教えてください。私はあなたに秘密を知られてしまった。なので、あなたの秘密を教えてくだされば、これで対等です!!」
「…………」
俺は、拍子抜けしてしまった。
俺にとって秘密を教えるというのは、そんな恥ずかしいことではないのだから。
なので俺は、みうさんに秘密を教えることにした。