第1章:酒場で出会う…
私は日本語の母語話者ではありません。私は西洋から来た者で、あなたの読書を楽しませるために、自分の小説をできる限り日本語に翻訳しようとしています!
真夜中。激しい嵐が、今にも崩れそうな掘っ立て小屋の廃墟を吹き抜けていく。
唸り声と無数の足音が雨音に混じり、その合間には金属が肉を切り裂く鋭い音が響く。稲妻が規則的に闇を照らし、そのたびに銀の剣と大盾を携えた鎧姿の女の影が浮かび上がる。彼女は飛びかかってくるゴブリンたちを、一体また一体と真っ二つに斬り伏せていた。
その前方には、槍を構えたゴブリンたちの果てしない群れが続いている。
「だ、大丈夫だ……。な、何も起きない……」
空き瓶を抱えた、太い眉毛のゴブリンが倒れた木材と瓦礫の下で身を縮こまらせていた。雨を防ぐには心もとない隠れ場所だ。
「みんな、すぐ見つけてくれる……」
震える声でそう呟く。
「な、何も悪いことなんて起きない……何も……」
ゴブリンは空き瓶をさらに強く抱きしめる。目に浮かぶ恐怖だけが、今にも零れ落ちそうな涙を辛うじて押し留めていた。
遠くから、仲間たちの断末魔が聞こえてくる。
やがて嵐が弱まり、それと共に音も消えていく。
ほどなくして、ゴブリンを取り巻く世界は静寂と闇に包まれた。
「みんな帰ってくる……。お、お祭りみたいに騒いで、また一日を祝うんだ……」
数時間が過ぎた。
何も変わらない。
ゴブリンはゆっくりと立ち上がり、街道へ向かって歩き始めた。
一歩ごとに、帰ってこなかった仲間たち全員の重みが肩にのしかかる。
その時――森の奥から四つの光る目が姿を現した。
闇に潜むそれは、不気味に口元を歪める。
かすかな笑い声が静かに響いた。
* * *
――二週間後。
一人の若い人間の男が大きな扉の前で立ち止まり、見上げた。
白いシャツに、左肩を守る金属製のショルダーガードが一つ。胸には革製のプレートアーマーを装着している。腰の布ベルトから垂れた端が風に揺れていた。
男――トゥルは大きく息を吸い込み、『冒険者ギルド』と書かれた看板を見つめる。
そして革手袋をはめた手で腰の剣を握った。
「行こう」
そう呟いて扉を開く。
中では、赤い髪の若い女性が青いギルド受付嬢の制服を着てカウンターに立っていた。
扉の軋む音に気づいた彼女は目を見開き、驚いたように微笑む。
そして優しく手を振った。
「あっ! こんにちは、トゥル!」
女性は一度視線を落として黄色いスカートを整え、それから弾むように顔を上げる。
彼女の名はローザ。
今入ってきた青年――トゥルへ向けて笑顔を浮かべた。
「やあ、ローザ。冒険者登録に来たんだ!」
トゥルは手を振りながらカウンターへ近づく。
ローザは頷き、書類とペンを取り出した。
笑顔のまま書類に目を落とす。
「登録の前に、いくつか確認事項があります。パーティーでの登録ですか? それとも単独ですか?」
トゥルは視線を逸らし、首筋を掻いた。
「一人だ。」
ローザは頷き、『ソロ冒険者申請』の欄にチェックを入れる。
「次です。実戦経験はありますか?」
トゥルは首を横に振った。
「訓練しかしたことがない。」
ローザは優しく頷き、『戦闘経験:なし』と記入する。
「最後に、ギルドからの推薦状はありますか?」
再び首を振るトゥル。
「なあローザ、俺がずっと冒険者を目指してきたのは知ってるだろ? だから――」
「ごめんなさい、トゥル。」
ローザは深く頭を下げ、彼の言葉を遮った。
「実戦経験もなく、推薦状もない場合、パーティーを組んでいない限り登録はできません。」
頭を上げたローザは、寂しそうな笑みを向ける。
「あなたにとってどれだけ大切なことかは分かっています。でも、ギルドの規則には逆らえないんです。理解してもらえると嬉しいです。」
トゥルは視線を落とし、剣を握り締めた。
悲しみと悔しさを押し込めるように目を細める。
だがやがて力を抜き、小さくため息を吐いた。
怒っても何も変わらないと分かっていたからだ。
「分かってるよ。ありがとう、ローザ……」
彼はギルドを後にした。
足取りは重い。
トゥルは姉が行方不明になって以来、必死に鍛錬を続けてきた。
だが戦闘経験を積む方法が分からない。
この村はあまりにも小さい。
参加できそうな冒険者パーティーはどれも格上ばかりで、経験も縁もない彼を受け入れてくれるはずがなかった。
やがてトゥルは酒場へ辿り着く。
扉の取っ手へ手を伸ばす。
だが直前で動きが止まった。
もしこれが自分の人生だったら?
もし一生冒険者になれなかったら?
もしこの村に縛られたまま、農夫や大工になって静かに生きる運命だったら?
それは決して悪い人生ではない。
だが心の奥底で理解していた。
姉のように冒険者にならなければ、きっと後悔を抱え続けると。
トゥルは再び取っ手へ手を伸ばし、扉を押し開けた。
――リン・ディン!
鈴が軽やかに鳴る。
酒場の中は静かだった。
聞こえるのは誰かの鼻歌と、皿やコップを重ねる音だけ。
仕切りを越えて奥へ進むと、一人の大男が目に入る。
淡い赤色の肌。
質素な白いシャツと簡単なズボン姿。
そして何より――四本の逞しい腕。
彼は汚れた皿を掴み、洗い、石鹸水に浸し、綺麗になったものを頭上の棚へ並べていく。
その動きは見事なまでに滑らかだった。
鼻歌は、旅の吟遊詩人たちが酒場で演奏する定番の曲だった。
トゥルがカウンター席へ近づくと、大男はすぐに振り向いて笑顔を見せた。
手は相変わらず忙しく動いている。
「おお、トゥル!」
独特な訛り混じりの言葉で陽気に声を掛ける。
四本の腕のうち二本を作業から離し、綺麗なグラスを取り出した。
小さな樽の蛇口をひねり、中身を注ぐ。
シュワシュワと泡立つ音が響く。
それだけでトゥルの肩の力は少し抜けた。
四本腕の男はグラスを滑らせるように差し出す。
トゥルはそれを受け取り、指先でゆっくり回した。
「ありがとう、ホスト。」
両手でグラスを包み込みながら俯く。
ギルドで断られた悲しみがまだ顔に残っていた。
ホストは何も言わずに皿洗いへ戻る。
トゥルが落ち込んでいる理由など、言われなくても分かっていた。
水面に映る歪んだ自分の顔を見つめながら、懐かしむように微笑む。
「友よ、冒険者になることが一番難しい。」
少し間を置いて続ける。
「姉も登録は大変だった!」
その言葉にトゥルは顔を上げた。
「本当に?」
ホストはクスリと笑う。
「もちろん。姉も何週間もパーティー探した。最初から強かったわけではない。」
拙い言葉の中に、不思議な温かさがあった。
ホストはこの村の誰もが知る存在だ。
今はもう村を去った者たちも含めて。
彼はこの村ができた頃からここにいる。
引退した冒険者たちが集まり、小さな集落を作ったその時から。
村が成長する様子をずっと見守ってきた。
そして彼の酒場と冒険者ギルドは、いつしか村の中心になっていた。
ホストはマギアン。
純粋な魔力から生まれる種族だ。
殺されない限り、半永久的に生き続ける。
彼らは皆、名前を持たずに生まれる。
そして自らの使命を見つけた時、その役割を名前にする。
鍛冶屋ならスミス。
大工ならウッドワーク。
そして――ホスト。
酒場の理想的な主人になりたいと願った者の名だ。
「姉もパーティー必要だった。そして、いつかパーティーが姉を見つけた……」
――リン・ディン!
扉の鈴が再び鳴る。
「そして、誰にも分からない……」
長く大きな耳がカウンターへ近づいてきた。
だが背が低すぎて、カウンターの向こう側が見えない。
「もしかしたら――」
ホストは意味深に微笑んだ。
「パーティーメンバーが、お前を見つけるのもすぐかもしれない。」




