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六月六日 ご近所

ちなみに愛は「めぐみ」と読みます。

小説のなかでは主人公の視点なのでいちいち解説が入りません。

わかりにくそうなところは前書きなどで解説しますが基本はこのような書き方で行くので悪しからず。

「も、元に戻れるんですか?男に戻れますよね?」


「はい、まぁ…一応は。ただ、六月いっぱいは女の子のままです。七月に入ると大抵は男に戻るそうです」


「よかった…」


「しかしこれだけは聞いてください。一番重要なことですから。多分…いや、必ずと言っていいほどまた発症します。その…来年の六月にね」









「へぇ、愛ってこの近くに住んでるんだ」


「うん、私も高杉くんの住所を聞いてびっくりしちゃった。これなら歩いて家に着くぐらいだよ」


土曜日。朝っぱらから電話をするほどに仲がよくなった俺たち。気が合うんだよ多分。普通ならこんなに早く仲良くなれないと思うし。

家がどこかって聞かれたから答えたんだけど、これがなかなか近いのなんのって。運命的なものを感じちゃうぐらいだよ。それにこんなことを言ってるぐらいだから、きっと家に来たりして…


「昨日一緒に帰ってるときに気付くべきだったね」


「うん、同じ方向だったから結構近いとは思ったけど…まさか一キロもないとは思わなかったよ」


「これだったらいつでも会えるね!」


…うん、これは絶対脈ありだよ!こんな思わせ振りな態度でなかった、なんてことだったら最悪だろ?


「じゃあ、今日会う?」


…さすがに積極的過ぎたか?


「あぁ、ごめんなさい。今日は忙しいんだ。だから電話だけで済まそうと思って…」


「あ、そうなんだ、ごめんね」


くそ!ちょっとがっつき過ぎた!嫌われてないよな?


「私も出来れば会いたかったけど…今日は電話で我慢してね?月曜日にまた逢えるから」


「え、あ、うん!」


「じゃ、通話代もそろそろあれだから切るね?バイバイ!」


「あ、バイバイ。また明後日…」


これは…疑う余地はないよな?ふふふ…月曜日が待ち遠しすぎるよ…まさかただの宿題の相談だけの電話でここまで幸せになれるなんて…


やっぱ女の子と電話って良いもんだ!ま、今は自分も女の子なんだけど…さっさと戻ってしまいたい!うん!この気持ちなら間違いなく戻れるって!


あぁ、なんか自信付いてきた!最近鬱だったけどもう元気になった!全部きっと愛のおかげだよ!


これでクラスともうまくいけば言うことなしではあるんだけどなぁ…いや、もう愛だけと話すのでもいい気がしてきた。だってそれで十分幸せだし。


明日は日曜だけど…明日も忙しいのかな?まあ忙しいからまた月曜日にって言ったんだろうけど。仕方ない、メールで我慢するか。それなら愛も許してくれるはず。


さて、さっそくメールメールっと…ん?着信?


…あいつからだ。


『お前、明日暇?ちょっとそこらで遊ばねえ?』


…なんでこいつと二人で遊ばなきゃならないんだ?確かに前はよく遊んでたっちゃ遊んでたけどさ…


…いや、待てよ?そういやこいつには昨日悪いことしたしな…二時間目に帰ってきたときにはさすがに笑っちゃったけど、何より罪悪感も感じたんだよなあ。


軽い罪滅ぼし的な意味ならまあ、借りを返すってことでいいか。


ちょっと面倒だけど、あいつはあいつなりに俺を心配してくれてたらしいし、少しぐらいは感謝の意味も込めて付き合ってやるか。うわっ、めちゃ俺っていいやつじゃん。上から目線だけど。


そうだ、遊び代は全部あいつにおごらせよう!誘った側の礼儀だよな。俺は今は一応女の子だし。


どうせなら行きたいとこなんかも俺が決めちゃおうかな…ってまだ行くって決めてなかった。とりあえずメールを返しておこっと。


『いいよ、たまには。どこに集合する?もう面倒だからお前が迎えにこいよ?この身体歩くと疲れるんだからさ』

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