あとがき
どうも、作者です。
この度は六月だけの姫さまをご一読いただき誠にありがとうございました。
わりと実験的な書き方をしていたので、すごくわかりにくかったかと思いますが、ここまで目を運んでくださってとても嬉しいです。本当は日記的なイメージで書きたかったのですが、背景描写が少なくなってしまうという欠点があるため、中途半端な文体に落ち着いちゃったかなと思います。
さて話は変わりますが、この作品で気をつけていたのは、主人公の心理描写です。素直になれない、というのを一番に伝えたかったのですが、逆にわかりずらくなったような気もします。表面には決して表さないけど絶対にどんなことがあっても、親友を信じていたい。そんな気持ちを表したかったのです。
そして特にこだわっていたのは、常にシリアスであること、です。性転換というシチュエーションではとりわけキャラクターの心理というものに気を配りたいといいますか、複雑な心境というのをなるべくリアリティーを含め表現したかったのです。
ただ、性転換という事象が完全に非常識ではなく、ある程度発生する、珍しい事象であることがこの作品において注意していただきたい点です。ファンタジーな現象ですが、この世界ではファンタジーではないのです。
こういう世界観を前提にした上で、それを常識的に表現する、つまり、全体がどのように主人公に振る舞うのが普通か、というのが一つの課題でした。全体の流れを違和感が無いように構成出来ていれば……と思っていましたが、はてさてうまくいったかどうか。
なにはともあれこの作品はこれで終わりです。だいたい一年だらだらと書き続けて参りましたが、長い間お付き合いいただきありがとうございました。
他の作品も是非ともよろしくお願いします。
それでは。