侯爵様の子供時代
果たして無事エルドの胸の上から退いたルシア。
二人はカエルのいた川辺に向かう。
胸の高鳴りはどこへやら、ルシアの好奇心はすぐにエルドの過去へと向かっていたのだった。
私たちは前に来たことがある川辺に来ていた。
「早速ですが侯爵様!侯爵様は幼少期どんな子だったんですか?」
川辺のベンチに座りながら私は興奮気味に聞いた。
「うーん……」
侯爵様はじっと私の目を見つめた。言いにくいのかな……
「侯爵様、大丈夫ですよ!ここには私と侯爵様しかいませんから」
「えっ?」
なんでわかった?とでも言いたげな侯爵様。当然わかるわ。私だって伊達に幼少期からルシアをやって来たわけじゃないわ。
幼い頃から大人の顔色を伺うのは慣れてるもの!でもそれでも私は自分を、ルシアを止められなかったの。
侯爵様も、きっとそうよ。
幼い頃から大人の顔色を伺って来たに違いないわ。だからあの時、侯爵様もかくれんぼをしてたってことに驚いたの。侯爵様なら大人に気を遣って、遊んだりしないと思ってた。
「ははっ、参ったな。自分でもどこから話していいのかわからないんだ」
そう言って困ったように前髪をくしゃりとする侯爵様。ひとつひとつの仕草がかっこいい。
「……私は侯爵様が誰と遊んでいたのかが気になります。私はフウカとよく遊んでいたわ!侯爵様のお友達は誰?」
「そうか……フウカは、お友達か……」
そう言って侯爵様は少し悲しそうに笑う。
も、もしかしてこれは……悲しい過去の前触れでは??
侯爵様には確かにお友達はいたけれど、そのお友達はすでにいなくなっていて。侯爵様はそれで『どこから話していいのかわからない』と……
「侯爵様!!お友達がいなくなってしまったの?!」
私がそう言うと、侯爵様は驚いた。
「ええっ?いつのまにそんな話に?いや私の友達は生きているよ。アキラだ。奇しくもルシアが私と同じ、侍従がお友達だったことに笑ってしまったんだよ」
「あ、ああ……そうなの?すみません私。とんだ早とちりを……って、アキラ?あのアキラ!?侯爵様の書斎で重いカーテンの中でぐるぐる巻きになった……」
私はいつぞや侯爵様のモラハラの証拠……(今となってはなぜそんなことをしたかわからないけど)
それを見つけに書斎の中に入って、それをアキラに見つかって……
何をやってんの私は!?
自分の過去の行いを思い出してゾッとした。
「あああああの時はすみませんでした!!」
侯爵様は驚いたように目を瞬いた。
ルシア様妄想たくましいね汗
ようやく甘い雰囲気に戻りかけてたのにー
エルド様はもう少し怒った方がいい。私が許す。笑
最後まで読んで頂きありがとうございました。




