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侯爵様の悪役令嬢(自称)  作者: 杉野みそら
第十章

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侯爵様の子供時代

果たして無事エルドの胸の上から退いたルシア。

二人はカエルのいた川辺に向かう。

胸の高鳴りはどこへやら、ルシアの好奇心はすぐにエルドの過去へと向かっていたのだった。

 私たちは前に来たことがある川辺に来ていた。


「早速ですが侯爵様!侯爵様は幼少期どんな子だったんですか?」


 川辺のベンチに座りながら私は興奮気味に聞いた。


「うーん……」


 侯爵様はじっと私の目を見つめた。言いにくいのかな……


「侯爵様、大丈夫ですよ!ここには私と侯爵様しかいませんから」


「えっ?」


 なんでわかった?とでも言いたげな侯爵様。当然わかるわ。私だって伊達に幼少期からルシアをやって来たわけじゃないわ。

 幼い頃から大人の顔色を伺うのは慣れてるもの!でもそれでも私は自分を、ルシアを止められなかったの。


 侯爵様も、きっとそうよ。

 幼い頃から大人の顔色を伺って来たに違いないわ。だからあの時、侯爵様もかくれんぼをしてたってことに驚いたの。侯爵様なら大人に気を遣って、遊んだりしないと思ってた。


「ははっ、参ったな。自分でもどこから話していいのかわからないんだ」


 そう言って困ったように前髪をくしゃりとする侯爵様。ひとつひとつの仕草がかっこいい。


「……私は侯爵様が誰と遊んでいたのかが気になります。私はフウカとよく遊んでいたわ!侯爵様のお友達は誰?」


「そうか……フウカは、お友達か……」


 そう言って侯爵様は少し悲しそうに笑う。


 も、もしかしてこれは……悲しい過去の前触れでは??

 侯爵様には確かにお友達はいたけれど、そのお友達はすでにいなくなっていて。侯爵様はそれで『どこから話していいのかわからない』と……


「侯爵様!!お友達がいなくなってしまったの?!」


 私がそう言うと、侯爵様は驚いた。


「ええっ?いつのまにそんな話に?いや私の友達は生きているよ。アキラだ。()しくもルシアが私と同じ、侍従がお友達だったことに笑ってしまったんだよ」


「あ、ああ……そうなの?すみません私。とんだ早とちりを……って、アキラ?あのアキラ!?侯爵様の書斎で重いカーテンの中でぐるぐる巻きになった……」


 私はいつぞや侯爵様のモラハラの証拠……(今となってはなぜそんなことをしたかわからないけど)

 それを見つけに書斎の中に入って、それをアキラに見つかって……


 何をやってんの私は!?

 自分の過去の行いを思い出してゾッとした。


「あああああの時はすみませんでした!!」


 侯爵様は驚いたように目を瞬いた。


ルシア様妄想たくましいね汗

ようやく甘い雰囲気に戻りかけてたのにー

エルド様はもう少し怒った方がいい。私が許す。笑


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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