侯爵様の悪役令嬢
……っ、変でもいいじゃないのルシア!元々変わった子扱いされていたのだから今更よ!
「侯爵様になら、意地悪されてもいいわ!!」
「えっ……」
私の言葉に、侯爵様は目を丸くして驚いている。
そんなに驚くようなことを言ったかしら?
* * *
「いや、ルシアそれは……//」
ああ、降参だよルシア//
日頃の仕返し(キス)をしたはずなのに、まさかこんな反撃を受けるなんて思いもしなかった。
それは、私が特別だから。『私だから』意地悪されてもいいと言った意味だろう?
そんな告白みたいな。
先程まで落ち着いていたはずの胸の鼓動がまた音を立て始める。
「……なんか私変なこと言いましたか?」
はは、気づいていないのか。そうだろうな、当然だ。ルシアはそんな打算的な女性ではない。
だからこそ……
だからこそルシアに惹かれたのだから。
私はルシアの手を取る。
「な、なんですか?もうキスはしませんよ!私はそんな安い女じゃないんだから!」
そう言ってぷいと横を向くルシア。
本の中でしか聞いたことのないようなセリフに、思わず吹き出してしまった。
ルシアは本当に私を振り回してくれる。
「ああ、もうしないよ。そのかわり……」
「……?」
「もう少し話さないか?あの川辺で……」
(川辺?あ、あの大きなカエルがいた川のことだ)
「はい!私もっと侯爵様のことを知りたいと思っていたところなんです!教えてください。侯爵様のこと、侯爵様の昔話を」
キラキラした金色の瞳を輝かせて、期待に満ちた目でそんな事を言うルシア。
「……っ君は本当に……//」
「??」
確かルシアは悪役令嬢に憧れてるとか何回か聞いたような気がするな。
最初は何を言っているかわからなかったが……そうか。これのことだったのか。
ーー大丈夫だよ。少なくとも私には、君は唯一私の心をかき乱す悪役令嬢になっているのだから。
よかったねルシア様!ルシア様も侯爵様のことをもっと知ることで恋に気付くことができるはず!(希望)
最後まで読んで頂きありがとうございました。




