侯爵様とかくれんぼ
エルドに叱られると勘違いしたルシアは、エルドの話も聞かずに逃げるのだった。
侯爵様の大きな手が伸びて、私に触れようとしていた。
ばっ!!
私はその手を振り切った!侯爵様の腕は虚しく空気に触れた。
「ん?どうしたんだ。ルシア」
ほほほ、逃げるのは得意分野よ。なんせ幼い頃からずっと侍女たちから逃げてばっかりの人生だったからね!
ーーま、まぁ、決して胸を張って言える事ではないけどね?
「侯爵様。お説教はフウカので充分なの!」
「んん?」
「ということで私は逃げます!捕まえてごらんなさい!」
ああああまたやってしまった。なんで私は侯爵様を煽ってんのよ!普段から侍女たちを煽って来た癖が出ちゃった。
(こうなったらヤケクソよ!)
私は中庭を抜け、あらかじめ探検していて見つけていた人一人が入れる穴にズボッと隠れた。
「ははは、かくれんぼか。懐かしいな……」
えっ侯爵様意外と乗り気??でもいくら侯爵様といえど見つからないわよ!私は何度もかくれんぼで日暮まで見つからず侍女たちを泣かせて来た。
ついた二つ名は「侍女泣かせのルシア」よ。
変なの私……どうしようもなくワクワクしてる。
侯爵様に見つけて欲しいと思ってるのかな??
「どこだー?ルシア」
この胸の高鳴りが緊張感からか、それとも恋からくるドキドキなのか、お嬢様がその正体に気付くのはまだまだ先の話であった。
また勘違いお嬢様の暴走……
エルド様頑張れ!私もフウカももうダメだ!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




