あのセリフを言わせたい!
あっという間に侯爵様との顔合わせの日が来た。
夢みがちなルシアは婚約相手の顔を絵画で見ていた。
※ルシア視点です。
そしてあっという間に侯爵様との顔合わせの日が来た。
「絵画ではお顔を拝見したことがあるけれど、このお顔本当にエルド侯爵の顔なのかしら?加工されてるんじゃないの?」
私は婚約者の顔が描かれた絵画をまじまじと眺めてブツクサと呟いていた。
整った輪郭、艶々の黒髪、銀色の吸い込まれるような瞳……上等のスーツ……ため息が出るほどの美形。
ゴクリ、と喉が鳴った。こ、この方に私は言ってもらうの??『お前とは婚約破棄だ!』というセリフを??
……それはあまりに惜し……いや、これは私の夢でもあるから!それに侯爵様は女性を政治の道具としか見てないし!
「冗談じゃないわ!私は婚約するなら本気で好きな方とするって決めてるんだから!」
決めてると言っても、そんな殿方には今までに会わなかったんだけど……
私は図書室でしていたように自室の姿見を見た。
自分でも気に入っている長い血のように赤い髪。いかにも悪役令嬢って感じでしょ?これは良いチャームポイントだと思うの。
問題はこの琥珀色の瞳よ……
全然悪役令嬢っぽくないじゃない!!
悪役令嬢って言えばくるくるの巻き髪に青い瞳とか、紫の瞳とか、いかにも魔性って感じだけど、この金色に近い琥珀色はどう考えても違うわ!どっちかというと天使か女神の色って感じ〜!
「お嬢様はそのままでも充分魅力的だと思いますよ。妄想が激しいところ以外は……」
姿見に夢中になって張り付いていると、またしても侍女のフウカが私の後ろに立っていた。
「ふふふふフウカ!//ノックしなさいと何度も言ってよでしょ!」
「こちらも何度もいたしました。お嬢様が聞いてなかったんですよ。鏡に夢中で」
「うぬぬ……」
そんなフウカはティーセットを運んできていた。
「それで?本日噂の侯爵様に会う予定ですけど何かお考えですか?」
「えっ……?」
私の脳裏に、あの絵画の麗しい侯爵様の顔が浮かんで来た。あの絵画が本当の顔だとすると、少し緊張するかもしれないけど……
「もっ、もちろん考えてるわよ!!//まず、そうよ扇子よ扇子!悪役令嬢には扇子が不可欠でしょ?姿勢を正して口元に扇子を添えてこう言うの、『ごきげんよう、エルド侯爵様?』これで完璧なスタートダッシュよ」
「ふーーん……」
「なっ、何よその呆れたような態度は!//」
「大真面目でおっしゃってます?」
「ええ、私はいつでも大真面目よ!」
胸を張ってそう言った時、侯爵様の来訪を告げる呼び鈴が鳴った!
カルミナートには赤という意味があります。
私もお気に入りです♪
最後まで読んで頂きありがとうございました。




