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侯爵様の悪役令嬢(自称)  作者: 杉野みそら
第十六章 初めてのすれ違い

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ルシアはルシアのままでいい

まるでデートのような買い物をした二人。

だがルシアの頭の中はエルドの事でいっぱいのようだ。

 結局ルシアは全色のマカロンを買ったようだ。フウカが袋を抱えてついてきている。


 俺たちは街のベンチに腰掛けた。


「侯爵様にも買ったわ!でも侯爵様の好みっていまいちわからなくて。侯爵様って甘いもの好きかなぁ」


 そんな事俺に聞かれてもしらねぇよ……いや、一緒に住んでてそんな事も知らないのか??


「だって侯爵様って自分の事はあまり話してくださらないから」


「……不満なのか?」


「侯爵様のこと?どうして?侯爵様が秘密主義ならそれでいいと思ってるわ」


「お前って本当に変わった女だな。相手の何もかもを知りたいと思わないのか?」


「うーん……別に何もかもを知らなくてもいいかな。だって侯爵様はそこが魅力だから//」


「惚気か?」


「ち、違うわよ!//ただ侯爵様には今のままでいてほしいというか……私が散々好き勝手しても、侯爵様は怒らないし……」


 ……横で聞いていたフウカがでかいため息を吐いた。その様子を見て、ルシアのことがなんとなくわかった気がした。


 俺の気持ちも、エルド侯爵の気持ちも、フウカの気持ちも、何もかもを振り回して……


 それでも無邪気な笑顔で周りを一瞬にして幸せにさせる。残酷なルシア。でもーー


「俺はお前のほうがそのままでいいと思うがな」


「えっ?何か言った??ヴァルター」


「いいや、何も」


 ルシアはこのままルシアでいいのだ。


「あ!そういえばまだダンスの感想を聞いてなかったわ!ねぇヴァルター、感想聞かせてちょうだいよ」


「今聞くのかよ!もう日も傾きかけだぞ!俺は帰る」


 早く帰らないと屋敷の連中に怪しまれるしな。


「待ってヴァルター!感想聞かせてよ!」


 フウカがやれやれという感じで肩をすくめた。


ルシアは果たしてエルドにマカロンを渡す時になんと言うのかな。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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