ルシアはルシアのままでいい
まるでデートのような買い物をした二人。
だがルシアの頭の中はエルドの事でいっぱいのようだ。
結局ルシアは全色のマカロンを買ったようだ。フウカが袋を抱えてついてきている。
俺たちは街のベンチに腰掛けた。
「侯爵様にも買ったわ!でも侯爵様の好みっていまいちわからなくて。侯爵様って甘いもの好きかなぁ」
そんな事俺に聞かれてもしらねぇよ……いや、一緒に住んでてそんな事も知らないのか??
「だって侯爵様って自分の事はあまり話してくださらないから」
「……不満なのか?」
「侯爵様のこと?どうして?侯爵様が秘密主義ならそれでいいと思ってるわ」
「お前って本当に変わった女だな。相手の何もかもを知りたいと思わないのか?」
「うーん……別に何もかもを知らなくてもいいかな。だって侯爵様はそこが魅力だから//」
「惚気か?」
「ち、違うわよ!//ただ侯爵様には今のままでいてほしいというか……私が散々好き勝手しても、侯爵様は怒らないし……」
……横で聞いていたフウカがでかいため息を吐いた。その様子を見て、ルシアのことがなんとなくわかった気がした。
俺の気持ちも、エルド侯爵の気持ちも、フウカの気持ちも、何もかもを振り回して……
それでも無邪気な笑顔で周りを一瞬にして幸せにさせる。残酷なルシア。でもーー
「俺はお前のほうがそのままでいいと思うがな」
「えっ?何か言った??ヴァルター」
「いいや、何も」
ルシアはこのままルシアでいいのだ。
「あ!そういえばまだダンスの感想を聞いてなかったわ!ねぇヴァルター、感想聞かせてちょうだいよ」
「今聞くのかよ!もう日も傾きかけだぞ!俺は帰る」
早く帰らないと屋敷の連中に怪しまれるしな。
「待ってヴァルター!感想聞かせてよ!」
フウカがやれやれという感じで肩をすくめた。
ルシアは果たしてエルドにマカロンを渡す時になんと言うのかな。
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