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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第七章

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Σ(゜д゜lll)  宝物庫への侵入者(その五)

 ばやく移動して、クーは金色きんいろかぶとみぎうでをつかんだ。


 力いっぱいにねじり上げようとすると、相手がりで反撃はんげきしてくる。


 クーは体の柔軟じゅうなんせいかして、そのりを回避かいひした。つかんでいるみぎうではなさない。


 ここでキナコが本命ほんめい攻撃こうげき仕掛しかける。


 のようなするどりを、金色きんいろかぶとどうたたんだ。『空中くうちゅうゆみり・あんこプッシュ』である。


 キナコのりが命中するタイミング。そこでクーは、相手のみぎうでから手をはなした。


 二人の連係コンビネーションによって、金色きんいろかぶと宝物ほうもつの方へとんでいく。


 クーは追い打ちをかけようとした。


 ところが、背筋せすじを中心に悪寒おかんが走る。本能ほんのう追撃ついげき拒否きょひしてきた。


 キナコの方も同じらしい。二人とも前へは飛び出さなかった。


 宝物ほうもつとびらたたきつけられる金色きんいろかぶと。その口からは、むらさきいろの気体がれ出している。


「あれはどくだね」


 気体の正体を、クーは一瞬でやぶった。


 どくの量はそこまで多くない。このくらいの距離きょりをあけていれば安全だろう。追撃ついげきをしなくて正解だった。


(さて、どうしようかな)


 どくを使ってくる相手と、クーはこれまで戦ったことがない。


 真っ先に思いつく対処たいしょほうは「遠距離えんきょり攻撃こうげき」だ。


(でも、ぼくが使える遠距離えんきょり攻撃こうげきは、手裏剣しゅりけんくらいなんだよね)


 牽制けんせいには使えても、必殺ひっさつの手段としては心もとない。スティンクルが使う『こう収束しゅうそく』とはちがうのだ。また、テテルのつま楊枝ようじのように、百発百中ノーミスというわけでもない。


 そして、クーと同じく、キナコも接近戦で勝負するタイプだ。どくを使う相手とは、相性あいしょうわるい。


(さて、どうしようかな)


 ふところには手裏剣しゅりけんがある。


 それを取り出そうか考えている間も、クーは金色きんいろかぶとから目をはなさなかった。


 相手の口から出ていたむらさきいろの気体が、どんどんうすくなっていく。


 やがて止まると、


「そこの忍者にんじゃむすめ


 金色きんいろかぶとが今度は言葉をいてきた。


「お前は七〇点だ。ころすにはしい」


 勝手に点数をつけてくる。


(七〇点?)


 何の点数だろうか。クーは警戒けいかいしながら考える。


 次に金色きんいろかぶとはキナコに向かって、


戦闘せんとうに関する評価なら、お前は八〇点だ」


 キナコの方が点数は上だが、クーに不満ふまんはない。先ほどの攻防こうぼうだけで判断はんだんするなら、そうなるのが当然とうぜんだろう。キナコの点数はもっと高くてもいいくらいだ。


「しかし、大きな減点げんてんがある」


金色きんいろかぶとは続けた。


「マイナス九九九九九九点だ。よって、ころ価値かちしかない。だんごむすめよ、おまえは死ね」


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