Σ(゜д゜lll) 通っていいぞ
同時刻、お城の裏門に一台のトラックが到着していた。
トラックの積み荷は「大量のカボチャ」だ。
「念のために、色々と確認させてください。規則ですから」
またカボチャか、と思いながらも兵士たちは、トラックの周囲に散らばる。
運転手とは別に、荷台に三人。「お城で使うものなので」と、せっせとカボチャを布で磨いていた。
また、余興に使うらしい道具も積んでいる。兵士たちが確認したところ、凶器などは隠していないようだ。
本日の舞踏会のために、外部の人間を雇ったという話は聞いていないが、調理場からは「追加のカボチャを早く!」と、せっつかれている。
さっき大量のカボチャが届いたはずなのに、それでも足りないらしい。
「お客さんたちの中に、よっぽどの食いしんぼうがいるのかもな」
それ以上は深く考えずに、今度はトラックの屋根を確認する兵士たち。こちらも問題ない。
「通っていいぞ」
トラックがお城の中へと入っていく。
この時、荷台の三人――シンデレラの継母と二人の姉――は凶悪な笑みを浮かべていた。




