Σ(゜д゜lll) 今のは警告だ!
シンデレラとテテルはスーパーに突入し、ノンストップで野菜コーナーに向かった。
二度見する。それで十分だった。
見間違いではない。カボチャがさらに値上げされている!
とはいえ、買うのを迷っている時間はなさそうだ。
先ほどシンデレラが一人で来た時、カボチャは十個以上あった。
しかし、たなの上には現在、最後のカボチャを残すのみだ。
そのカボチャに、手を伸ばそうとするシンデレラ。
突然、自分の後方から殺気のようなものを感じた。
横からテテルが突き飛ばしてくる。シンデレラは床にしりもちをついた。
そのあと目にして絶句する。さっきまで自分が立っていた場所に、金色の手裏剣がいくつも刺さっていたのだ。テテルが突き飛ばしてくれなかったら、今頃は・・・・・・。
頭の中で再生されたのは、家でテテルが遊んでいたトマトだ。爪楊枝が刺さりまくって、最後は爆発。あんな風になっていたかも・・・・・・。
手裏剣が飛んできた方向を見ると、謎の女の子がいる。
黒い忍者装束だ。顔の下半分を黒い布で隠していて、縁のついたとんがり帽子をかぶっている。
「今のは警告だ!」
忍者の女の子が言い放つ。
(ウソだ!)
シンデレラは心の中で突っ込んだ。今の奇襲攻撃、警告の範囲を超えている。
次の瞬間、すぐ近くで疾風が起こった。
あの忍者に向かって、テテルが突進したのだ。どこから取り出したのか、手には黒い木刀を持っている。
彼女はプレートアーマーを着ているのに、なんて速度だ。マントが勢いよくなびいている。
「だったら、こちらも警告だ」
そう言ってテテルが、素早く木刀を横に振る。
それをかわす忍者。すごいジャンプ力だ。三メートルは飛んでいる。
そのまま空中で横に一回転した。背中の部分が一瞬だけ、こちらを向く。
黒い忍者装束の背中には、「金色の竜」が大きく刺繍されていた。しかも、「赤い満月」まで。
男の子が好きそうなデザインだと、シンデレラは思った。赤い月夜に、吠える金色の竜。
そして、忍者が再び前を向く。金色の木刀を手にしていた。
「ぼくの邪魔をするな、テテル!」
木刀を構えて、忍者が降下してくる。
「そうはいかない。私にも事情がある」
忍者の一撃をかわすと、テテルが反撃に出た。着地後の相手に対して、木刀を突き出す。
が、それに忍者も反応する。身をよじって回避すると、その体勢から木刀を下から上へと振り抜いた。