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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第六章

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Σ(゜д゜lll)  最強の必殺技(前編)

 シンデレラは、テテル、リプリス、マルリアさんと一緒いっしょにホテルを出発し、カボチャの馬車で一路いちろ、おしろ目指めざしていた。


 なお、ニセ執事しつじのリチャールも一緒いっしょである。「馬車の御者ぎょしゃをしてみたい」と言っていたが、丁重ていちょうにおことわりした。ホテルにいた兵士の一人に、御者ぎょしゃをしてもらっている。


 そのわりに、リチャールにはまどの外を見張みはってもらっていた。おしろの中に入るまでは、「隣国りんごくのリチャード王子」ではなく、「執事しつじのリチャール」をえんじてもらう。


 このまま何事もなければ、あと五分くらいでおしろに着くだろう。楽しい楽しい舞踏会ぶとうかいはもうすぐだ。


 しかし、まだ油断ゆだんはできない。


 ここに来るまでにも色々あった。


 特に、ヴァンプラッシュ先生との戦い。


 もしも、他の先生たちも戦いをいどんでくるようなら・・・・・・。


 テテルとリプリスは、その心配しんぱいをしている。


 今のところ、リチャールから異常の知らせはない。


 クーとスティンクルがボロ雑巾ぞうきんのようになって道ばたにたおれている、そんなことはなかった。また、先生らしき人物がボロ雑巾ぞうきんのようになって道ばたに、ということもない。


 でも、もしもの場合にそなえて、シンデレラはテテルたちに、魔法についての質問をしていた。戦闘せんとうになった時のことを考えると、戦闘そっちけいの魔法について少しは知っておきたい。


 なお、マルリアさんはくるまいの最中である。よどんだ雰囲気ふんいきはなったまま、馬車のかべりかかっていた。必死の攻防こうぼうせんを続けている。ビニールぶくろばなせない。


 魔法についての質問をいくつかしたあとで、シンデレラはつぶやいた。


「あれって、やっぱり魔法だったんだ」


 ヴァンプラッシュ先生と戦った直後に、西の方角に見えた「光のはしら」。


 スティンクルの担任たんにんである、「ウルフェニックス先生」の必殺技ひっさつわざだとか。『こう収束しゅうそく』というらしい。


 そこでふと、シンデレラは考える。


 あんなわざ至近しきん距離きょりでいきなり使われたら、テテルたちにはふせぐことができないんじゃ・・・・・・。


 かなりはなれている場所からでも、あんなにはっきり見えたのだ。すぐ近くにいたら、大変なことになりそうな気がする。


「そうだよ。あのわざは強い」


 テテルがあっさりみとめた。リプリスもうなずいている。


 あの『こう収束しゅうそく』は、強力な光線技であると同時に、強烈きょうれつな目くらましの効果もあるという。


(ふむ)


 シンデレラはひそかに考える。


(『こう収束しゅうそく』か。便利そうな魔法だな)


 あそこまでの威力いりょくはなくていい。あの十分の一くらいでいい。


(もしも、あの『こう収束しゅうそく』を自分も使うことができたら・・・・・・)


 テテルたちの学校を買うことができれば、それが可能になるかも。ウルフェニックス先生に直接教えてもらうのだ。


 で、あの魔法を完全習得マスターしたあとは・・・・・・。


 シンデレラの脳裏のうりに、継母ままはは義理ぎりの姉二人のシルエットがかんできた。


 あの三人を魔法でボコボコにする、そんな光景を想像してみる。


 脳内のうないシミュレーションの結果、二人の姉には楽勝だった。


 が、継母ままははにはかなり苦戦したので、


「もっと強い魔法はないの? できれば、最強のやつがいい!」


 さらなる高みを、シンデレラは目指めざす。


 もっと強い魔法がない場合は、プランBだ。継母ままはは対策たいさく特化とっかした、そんな魔法ばかりをおぼえまくる。たとえば、えげつない状態じょうたい異常いじょうけいの魔法とか。


 そういう魔法を使って、本番ではとにかく継母ままははけずりまくる。


 で、やつ疲弊ひへいしきったタイミングに、必殺ひっさつの『こう収束しゅうそく』だ。


 シンデレラは早くも勝利を確信する。完璧かんぺきな作戦だ。


 そうだ、「財産ざいさんはすべてシンデレラに」、そんなにせ遺書いしょを、リプリスに製作依頼おねがいしておこうかな。


 こっそりわるだくみをするシンデレラ。


 それに対して、


「最強の魔法ですか。そうですね」


 少し考えてからリプリスが答えてくれる。


「ヴァンプラッシュ先生の必殺技ひっさつわざでしょうか。そのわざを使っているところを、私は実際じっさいに見たわけではありませんが・・・・・・」


 ちらりとテテルの方に視線を向けるリプリス。どうやら、テテルは目にしたことがあるらしい。


 最強の魔法。はたして、どんなものなのか。


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