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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第六章

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Σ(゜д゜lll)  敗北の予言と最強の魔女

 おしろの地下にある一室には、十枚以上の絵がならんでいた。


 といっても、同じ絵ばかりだ。十枚以上あっても、絵の内容は二種類しかない。


 片方は、「不気味ぶきみ仮面かめんをつけた魔女の絵」だ。


 黒いよろいの男が、絵の一枚をじっと見ている。『ホーリーヴァンパイア』のヴァンプラッシュだ。先ほどウルフェニックスと一緒いっしょに、おしろもどってきたばかりである。


 仮面かめんをつけた魔女の絵から、ヴァンプラッシュは目をそらさない。


 地面の上には、ばらばらになったゾーンビルド。その頭部とうぶにはくいさっている。のう貫通かんつうしているのだ。


 魔女の背後には三つの十字架じゅうじかがあり、自分たちの姿がある。ヴァンプラッシュ、ウルフェニックス、エクスアイズ。三人とも十字架じゅうじかはりつけにされ、『服従ふくじゅう仮面かめん』をつけられていた。


 これと同じものを、エクスアイズは何年間も描き続けてきた。固定された最悪の未来みらいだ。


 この魔女と戦い、自分たちは敗北する。そのことを、この絵は予言しているのだ。


 魔女の名は【ゴルディロックス】。


 史上最強の魔女だ。


 この魔女に自分たちは敗北する。


 しかし、そんな最悪の未来みらいを変えることができるかもしれない。


 エクスアイズは『未来みらいゴースト』という種族しゅぞくだ。絵を描くことで未来みらい情報じょうほうを得る。


 ある時から、エクスアイズの絵に変化があった。最強の魔女ゴルディロックスに敗北する絵ではなく、別の絵もざるようになったのだ。


 ヴァンプラッシュは敗北の絵から、もう片方の絵に視線をうつした。


 そっちの絵には、テテルたち四人と、シンデレラたち四人が描かれている。


 これが別の未来みらいの可能性。


 絵の中のシンデレラは、使用済みの『いかり花火』を持っている。


 そして現在いま、この絵と同様どうように、シンデレラは『いかり花火』を所持しょじしている。未来みらいを変えるための条件が、ととのいつつあった。


「今のところ、どんな感じだ?」


 となりにいるエクスアイズに、ヴァンプラッシュはたずねる。


「先ほど二枚描いてみたけどね」


 彼の視線が部屋へやすみに飛んだ。ヴァンプラッシュも同じ場所に視線をうつす。


 そこには、描きかけのスケッチが二枚あった。


五分五分ごぶごぶだね」


 エクスアイズがげてくる。


 最悪の未来みらいと、そうでない未来みらいだ。


 まだ、どちらになるのかはさだまっていない。


「あとは、あの子たち次第しだいだよ」


「そうだな」


 ヴァンプラッシュとエクスアイズは、二人そろって絵の一枚を見る。「不気味ぶきみ仮面かめんをつけた魔女の絵」ではなく、もう片方の絵だ。


 テテル、クー、スティンクル、リプリス。そして、シンデレラ、キナコ、フォーテシア、マルリアが描かれている。以上、八人。


 この内、四人が現在いま、おしろの中にいる。


 特に、一番の不安材料だったスティンクルが、その四人にふくまれているのは大きい。面倒めんどうさわぎも起こしていないようだし。


「エクス、何かしたのか?」


 微笑びしょうかべながら、ヴァンプラッシュはたずねる。


「ちょっとだけですよ。スティンクルは一番行動が読めないので、ほんの少し手助けしました。ぼくは親切な方じゃないんですが」


 こうしている間も、二人は絵から目をそらさない。


 絵の中には、このおしろの時計台も描かれている。その時刻がせまりつつあった。


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