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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第五章

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54/132

Σ(゜д゜lll)  こなごな

(何だ? 何かあったのか?)


 シンデレラは警戒する。


(ひょっとして、てきでもいるのか?)


 つま楊枝ようじかまえたテテルを先頭に、シンデレラたちはゆっくりとスイートルームの中に入った。


 シンデレラは視線でリチャード王子をさがす。


 王子はベッドの上にいた。後頭部こうとうぶさえている。口からは時折ときおりうめき声をもらしていた。


 そして、その真上の天井てんじょうには、人形ひとがたのあとがある。人形ひとがたの大きさは、あの王子にピッタリだ。


(この不自然ふしぜん状況じょうきょう・・・・・・)


 スイートルームの中に何者かがひそんでいて、そいつの仕業しわざだろうか。


(あの王子、あちこちで面倒をかかえていそうなタイプだし・・・・・・)


 多方面でうらみを買っていてもおかしくない。


 となると、そいつは今、「王子の仲間が来た!」とかんちがいをしているかも。


(無関係です)


 そう言ってみようかな?


 そんなことを考えながら、シンデレラは警戒を続ける。


 ところが、このスイートルームの中に、自分たちと王子以外の気配けはいを感じなかった。


 こうなると、別の可能性をうたがいたくなる。


(・・・・・・リチャード王子のイタズラか)


 なかなかの熱演ねつえんっぷりだけど、私にはわかっちゃったもんね。


 シンデレラはテテルにささやく。


「あのバカ王子の後頭部こうとうぶに、そのつま楊枝ようじを投げてみない?」


 これが聞こえたわけではないだろうが、リプリスが魔法で小さな氷を出現させた。


 それを王子の後頭部こうとうぶに投げつけることを、シンデレラは期待きたいする。


 しかし、彼女リプリスの行動はちがった。


 その氷をベッドのはしっこにほうり投げたのだ。王子のいない場所スペースに。


 氷はゆるやかな曲線で飛んでいき、ベッドに落ちた途端とたん、予想外の変化を見せた。


 真上にものすごいいきおいでねたのだ。


 その結果、氷は天井てんじょうたたきつけられて、粉々にくだる。


「これ、スティンクルの魔法イタズラですね」


 リプリスがため息をつく。


 どうやら、リチャードの身にも、あの氷と同じことが起きたらしい。


 衝撃しょうげきの光景を見て、シンデレラは思う。


あぶないところだった)


 実は自分も考えていたのだ。ベッドへの大の字ダイブ。


 もしもそれを、あの王子よりも先に実行していたら、スティンクルの仕掛しかけていったイタズラで、自分がああなっていたわけか。あぶない、あぶない。


 身代みがわりになってくれたことを、シンデレラがこっそり感謝かんしゃしていると、リプリスが魔法でゴムボールを出現させた。


 それを今度こそ、王子の後頭部こうとうぶに全力投球!


 ではなく、先ほどの氷と同様どうよう、ベッドのはしっこにほうり投げる。


 すると、ベッドがまるで超強力トランポリンになったかのように、そのボールを天井てんじょうはげしくたたきつけた。


 ボールがベッドに落ちてくる。


 しかし、今度はほとんどねなかった。どうやら、トランポリンに変わるのは、最初の一回だけらしい。


 じゃないと、あの王子は天井てんじょうとベッドの間を、何回も高速往復させられていたはず。今頃いまごろ全身ぜんしん複雑ふくざつ骨折こっせつしていたにちがいないのだ。


 シンデレラの視線の先では、なおもリチャード王子が後頭部こうとうぶさえている。


 テテルが大急ぎでスイートルームの中を調しらべ始めた。


 その結果、スティンクルが魔法のイタズラ仕掛しかけていったのは、あのベッドだけらしい。あとはどこをさわっても、問題ないという。


 シンデレラはホッとすると、


(王子が回復するにはまだ時間がかかりそうだし、今の内にシャワーでもびておこうかな)


 ここまで色々あったけれど、おしろ舞踏会ぶとうかいまでもうすぐだ。


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