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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第五章

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Σ(゜д゜lll)  こちらにどーぞウェルカムぷりーず♪

「はい、はーい! 私が使いまーす! 早い者勝ちー♪ エクスアイズ先生、すてきー、かっこいいー♪ 私、前から先生のことを尊敬そんけいしていましたー♪ 先生、いい人、すごい人ー♪」


 調子ちょうしのいいことを言って、「さあ、『招待状しょうたいじょう』をこちらにどーぞウェルカムぷりーず♪」と、スティンクルは両手を前にき出した。


 彼女のとなりにいるフォーテシアは一瞬だけ、キナコに対してもうしわけなさそうな表情をすると、


「先生、いい人、すごい人」


 ややぼうみながら、スティンクルの行動をあとしする。


 これでさらにスティンクルが調子ちょうしづいて、


「先生、いい人、すごい人ー♪」


「先生、いい人、すごい人ー」


 そんな中、エクスアイズ先生がクーにたずねてくる。


「それでいいですか? ぼくは先生という立場ですけど、君たちがなぐり合いを始めても、今なら止めませんよ。というか、そっちを少しだけ期待きたいしています。さあさあ、遠慮えんりょせずにどうぞ」


 クーはジト目になると、


「どうぞ、スティンクルにあげちゃってください」


 彼女スティンクルが『招待状しょうたいじょう』なしでおしろの中に入るには、ほぼちがいなく強行きょうこう突破とっぱになる。


(でも、ぼくなら・・・・・・)


 できることなら、ここで余計よけいさわぎを起こしたくない。『招待状しょうたいじょう』をスティンクルにゆずれば、彼女による強行きょうこう突破とっぱ回避かいひできる。


 クーは無言でキナコの方を見た。


 キナコの目は、まっすぐこちらを向いている。「信頼しんらいしているよ♪」と言いたげな顔をしていた。『招待状しょうたいじょう』をゆずることに文句もんくがある、という顔ではない。


 その期待きたいこたえたいと思った。たとえ『招待状しょうたいじょう』がなくても、ぼくはかならずキナコと一緒いっしょに、おしろの中に入ってみせる。


「それではスティンクル、この『招待状しょうたいじょう』は君のものです。おめでとう。おしろの中には、ごちそうがっていますよ」


「わーい♪ 先生、ありがとう♪ まじ神様ー♪」


 満面の笑みで『招待状しょうたいじょう』を受け取るスティンクル。


 そのあと、こっちを向いて、


「クーもありがとう♪」


 それを聞いてクーは思う。これでいいんだ。スティンクルには先に、おしろの中に入ってもらおう。


「キナコ、行こう」


「じゃあ、フォーテシアちゃん、あとでね」


「うん。中でってる。私は情報じょうほう収集しゅうしゅうをしておく」


 エクスアイズ先生がドアの前をけた。


 ここでわざわざ反対側のドアから出るのも何だし、そっちのドアから、クーはキナコをれて馬車を降りようとする。


ぼくは親切な方じゃありませんが、ちょっとだけサービスしてあげましょう」


 エクスアイズ先生が言い終わると同時に、クーの服装が変わった。ドレスではなく、黒い忍者にんじゃ装束しょうぞくにだ。クーにとっては、いつもの服装。


 そして、キナコも同じ忍者にんじゃ装束しょうぞくに変わっている。


 二人の忍者にんじゃ装束しょうぞく、その背中に刺繍ししゅうされているのは、「赤い月夜に、える金色こんじきりゅう」だ。


「すごい! 私まで忍者にんじゃっぽい!」


 エクスアイズ先生の魔法に、キナコがおどろいている。


 一方で、クーは冷静だ。


 ドレスのままでは動きにくいので、どのみち服装を変える必要があった。


 しかし、エクスアイズ先生のことだ。このサービスには何かうらがありそうな・・・・・・。


 クーがうたがっていると、エクスアイズ先生がげてくる。


「そうそう、その魔法は三〇分で元のドレスにもどります。なので、行動はお早めに」


 どうやら、時間制限をつけるのが目的のようだ。この先生の親切にはだいたい、余計よけいなものがついてくる。


(でも、ぼくならその時間でも・・・・・・)


 さいわいなことに、キナコは運動うんどう神経しんけいが非常にいい。足手まといにはならないだろう。


(ぼくは相方パートナーめぐまれた)


 クーはキナコと一緒いっしょに馬車を降りる。


 今から三〇分以内におしろ侵入しんにゅうするため、すぐさま行動を開始した。


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