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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第五章

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Σ(゜д゜lll)  さて、どうします?

 突然とつぜんのエクスアイズ先生登場に、クーは警戒した。


 時計台の破壊はかいに失敗して、逃走とうそうした時のことを思い出す。クーがゾーンビルド先生と対峙たいじしているところに、エクスアイズ先生がんできて、ひどい目にった。


 この先生は広範囲こうはんい魔法を得意とくいとしている。その上、新しい魔法の実験台に生徒せいとを使いたがるのだ。


 先生を警戒しながら、クーはばやく考える。


(今すぐげ出そうかな)


 開いているドアの前は、エクスアイズ先生がふさいでいる。


 しかし、馬車のドアなら反対側にもある。


 そっちには門番やゾーンビルド先生がいるけど、


(キナコをれて逃走とうそうしようかな)


 でも、相手はあのエクスアイズ先生だ。無事ぶじげきれるとは思えない。げたらげたで、「あー、なるほど。おにごっこですね。いいでしょう、三数える間、ってあげます♪」とか、よろこびそうだし・・・・・・。


 以前にも、そんなことがあった。あの時のエクスアイズ先生は、並走へいそうしながら三数えていた。あれを「つ」とは言わない。三数えたあとには、凶悪きょうあくな笑顔で魔法をぶちんできたし・・・・・・。


(さすがに、学校うち生徒せいとじゃないキナコには手加減てかげんするだろうけど、その分、ぼくには容赦ようしゃしない気がする)


 今の人畜じんちく無害むがいそうな笑顔にだまされてはいけない。


 いつでも攻撃こうげきできるよう、クーはこっそりゆびの間に手裏剣しゅりけんはさんだ。


「クー、そんな顔をしないでください。君がどんなことを考えているのかは知りませんが、ぼくはね、これを持ってきただけですから」


 エクスアイズ先生が取り出したのは、白い横長の封筒ふうとうだった。赤いろうふうがしてある。


舞踏会ぶとうかいの『招待状しょうたいじょう』です。本物ですよ。これがあれば、ゾーンビルドくんが確認作業をしていても安心。簡単かんたんにおしろの中に入れちゃいます♪」


 そのあとで、「ただし」とつけくわえると、


ぼくは親切な方じゃありませんので、ここでわるいお知らせです。とても残念ざんねんなことに、『招待状しょうたいじょう』は一通のみ。これがどういうことか、説明は不要ですね?」


 やはり、そういうことか。クーは露骨ろこつに顔をしかめる。


 そこでフォーテシアが口を開いた。


「質問ですけど、その『招待状しょうたいじょう』は、『何人まで』とか人数制限があるんですか?」


い質問です。そんなに多人数でなければ、『親族しんぞくです』とでも言いることで、多少の融通ゆうずうくでしょうね」


「だったら、私たち四人まとめて一組ってことにすれば」


 たとえば、キナコがメインの招待客しょうたいきゃくで、クー、スティンクル、フォーテシアは「いとこ」ってことにするとか。


「そうですね。そこのかしこいおじょうさん、非常にいアイデアです。ただし、それは今から使えなくなります」


 エクスアイズ先生の手に魔力が宿やどる。


 その手に持った封筒ふうとうがわずかに発光した。光はすぐに消える。


 何をしたのかというと、


「三人以上で使おうとか、そんな不正ずるをしようとしたら、この『招待状しょうたいじょう』が『よくえたエナジードリンク』に変わるようにしました。あとはそれを飲んで、強行きょうこう突破とっぱでも何でも、全力でがんばってください。できるものならね。ぼくはゾーンビルドくんの応援おうえんでもしましょう」


 ろくでもないことをしてくるエクスアイズ先生。フォーテシアのアイデアをつぶしてきた。


「さて、どうします? どちらが使います?」


 この『招待状しょうたいじょう』でおしろに入ることができるのは、クーとキナコか、スティンクルとフォーテシアか、どちらか一組のみ。


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