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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第五章

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Σ(゜д゜lll)  この美少女にご用ですかー?

「クー、『招待状しょうたいじょう』を持ってる?」


 スティンクルが聞いてくる。


「ないなら、強行きょうこう突破とっぱするしかないけど」


 そう言うと、「ルンルンルン、ぼかーん♪」と口ずさみながら、馬車のまどに顔を近づける彼女スティンクル。門の方を偵察ていさつしている。


 ところが、すぐにトーンダウンした声で、


「わーおー、ゾーンビルド先生がいる」


 そのあと真面目まじめな顔になって、


「おかしい。卒業式が終わるまで、私がスクラップにしたはずだが」


「してないって」


 クーは即座そくざ否定ひていした。


 自分でもまどの外を見る。ゾーンビルド先生がいるなんて、スティンクルの冗談じょうだんであることを期待きたいしたが・・・・・・。


 本当だ。門番の後方こうほうにあるテントに、特撮とくさつヒーローのような金属スーツを着た人物がいる。『メタルゾンビ』のゾーンビルド先生。


「これはまずいね」


 クーは思った。あの先生を相手に強行きょうこう突破とっぱするとなると、難易度なんいど格段かくだんね上がる。


 四人の先生たちの中で、「最高の防御ぼうぎょりょく」を持ち、防衛戦にけた相手だ。そういう意味では、この場面で最悪の先生だろう。


 ゾーンビルド先生はひだりうでに、急ごしらえの義手ぎしゅをつけていた。


(あれなら、本調子ほんちょうしとはいかないはず。でも・・・・・・)


 卒業前の伝説でんせつづくりに、学校の時計台を破壊はかいしようとして失敗した。あのことがクーの頭をよぎる。


 クーたち四人がそれぞれ丹精たんせいめてそだてた『いかり花火』、あれがゾーンビルド先生一人に阻止そしされてしまったのだ。スティンクルの『こう収束しゅうそく』でも、あれをうわまわ火力かりょくは出せない。


 クーは考えむ。


 ゾーンビルド先生は強い。


 しかし、勝算がないわけでもなかった。


 作戦があるにはある。


(でもなぁ・・・・・・)


 クーはため息をついた。できることなら、強行きょうこう突破とっぱはしたくない。たとえ成功したとしても、色々と面倒めんどうなことになる。


 ここにリプリスがいないことが、今になってやまれる。彼女リプリスがいれば、本物そっくりの『招待状しょうたいじょう』を偽造ぎぞうしてもらったのに。


 それがあれば、堂々とおしろに入ることができた。その場合、ゾーンビルド先生もとやかく言ってこないだろう。これは、そういう課題だと思う。


残念ざんねんだけど、精巧せいこう偽造ぎぞうは、ぼくやスティンクルには無理だ)


 魔法で偽造ぎぞうした『招待状しょうたいじょう』で、かりに門番の目を誤魔化ごまかすことができたとしても、さらにゾーンビルド先生もいるし、その横には偽造ぎぞうチェック用の機械まであるのだ。あれをくぐりけることができるのは、自分たちの中ではリプリスくらい。たぶん、テテルでもきびしいと思う。


(やっぱり、ホテルでつべきだったかな)


 今すぐキナコたちを説得して、ホテルに引き返そうか。そんなことを考えた時だった。


 馬車のドアをだれかがノックしてくる。門番の声が聞こえたのとは、反対側のドアだ。


 クーはその瞬間、ある気配けはいを感じ取る。ノックしている人物がだれなのか、一瞬でわかった。


 ここまで馬車の運転をまかせていた兵士ではない。


 別の人物だ。クーやスティンクルがよく知っている人物・・・・・・。


 相手は馬車のまどから自分の姿が見えないように、姿勢しせいを低くしているらしい。


(これは開けない方がいいかも)


 そう口にするよりも先に、


「はーい、この美少女四人にご用ですかー?」


 スティンクルが片手をグーにしながら、もう片方の手でドアを開ける。相手あいて次第しだいでは、そのままパンチをたたむつもりらしい。


 ドアの向こうにいた人物が背筋せすじばした。ピンク色のタキシードを着た男性だ。


 クーとスティンクルは真逆まぎゃくの反応をする。


 思わず顔をしかめたクーと、片手のグーを解除かいじょして笑顔になるスティンクル。


 そんな二人に対して、タキシード姿のエクスアイズ先生がげてくる。


ぼくは親切な方じゃありませんが、い知らせを持ってきましたよ」


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