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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第五章

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49/132

Σ(゜д゜lll)  見落とし

(テテルたちをたなくて、本当にかったのかな)


 クーは考えごとをしていた。


 馬車の中には、キナコ、スティンクル、フォーテシアもいる。全員がちがえるような格好かっこうになっていた。


 はなやかなドレス姿で、かみ丁寧ていねいにセットされている。クーもふくめて四人とも、外見はまるで貴族きぞくのおじょうさまだ。


 先刻せんこく、ホテルのまどからクーたちは見た。地表から空に向かって、「光のはしら」が出現するのを。


 あれは、ウルフェニックス先生の『こう収束しゅうそく』でちがいない。


 先生があのわざを使ったということは、だれかと戦っている?


 状況じょうきょうから考えて、先生の相手はテテルやリプリスではない。では、だれと戦っているのか?


(ひょっとしたら、ぼくはかんちがいをしているのかも)


 自分たちが進んでいる道、この途中とちゅうに先生たちが四人とも、かまえていると思っていた。


 だけど、それだとあの『こう収束しゅうそく』の説明がつかない。


 ウルフェニックス先生がいるのは、明らかに別の場所だ。おしろにつながる二つの道の、もう片方。クーたちが今進んでいる道ではない。


(それぞれの道に、先生たちは二人ずつかまえていた?)


 そして、ウルフェニックス先生がいる方の道で、何か特殊とくしゅ状況じょうきょうになったのだろうか。まさか、先生同士で戦っている?


 カボチャの馬車は快調かいちょうに走り続けている。


 ホテルへ接近した時の体験ことで、クーは学習した。あの超巨大馬車でおしろに乗りつけるのは、よろしくない。最悪の場合、警告なしで攻撃こうげきされる。


 それでスティンクルと話し合って、普通サイズの馬車にした。馬車を引く六頭の馬は、ホテルがしてくれたものだ。


 さらに御者ぎょしゃとして、ホテルにいた兵士の一人が、同行してくれている。馬車の走行については、その兵士に一任いちにんしていた。


 クーは考えごとを続ける。といっても、先生たちの気配けはいが近くにないかをさぐりながらだ。


 ホテルでシャワーをびたあとに、クー、キナコ、スティンクル、フォーテシアの四人で会議をした。


 テテルたちをつか。それとも、先におしろへ向かうか。


 その結果、今こうしてテテルたちをたずに、先におしろへ向かっている。


 今回のミッション、王子が結婚けっこん相手を決めた時点で「タイムリミット」だ。テテルたちをっていては、おくれになるかもしれない。


 だったら、同盟どうめい関係にある仲間のだれかが、先に到着していた方がいい。現地にいれば、何かしらの手をてる可能性がある。


 そう主張しゅちょうしてくるキナコ、スティンクル、フォーテシアに、クーはしたがうことにした。


 キナコたち三人が言うように、「タイムリミット」になっては元も子もない。この場にいないテテルたちとは同盟どうめいむすんでいるわけだし、あとで非難ひなんされることはないはず。


(でも、何だろう。何か大事なことを見落としている気がする)


 不安めいた何かが、自分の思考の中でずっと「かくれんぼ」をしているような・・・・・・。


(ぼくの気のせいだといいけど)


 馬車が減速げんそくを始めた。


 やがて停止ていしする。おしろの門の前に到着だ。


 馬車の外から聞こえてくる。むかえの楽隊がくたいかなでるメロディーだ。


 さらに、門番の声もする。


「お手元に『招待状しょうたいじょう』をご準備じゅんびください。おしろにお入りいただく前に、確認させていただきます」


 クーはハッとした。


 見落としていたのは、これだ。『招待状しょうたいじょう』がなければ、ぼくたちはおしろの中に入れない!


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