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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第五章

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Σ(゜д゜lll)  最速でつぶす

 ウルフェニックスはばやみぎうでにだけ、魔力のほのおをまとわせる。


 そのほのおがタンポポ色なので、


(やはり夜は力が落ちる)


 ウルフェニックスは『天狼てんろう』だ。『不死鳥フェニックス』と『人狼じんろう』の混血こんけつである。


 基本的には人の姿だが、昼なら『不死鳥フェニックス』に、夜なら『人狼じんろう』に変身することが可能。


 また、変身できない時間帯であっても、夜に『不死鳥フェニックス由来ゆらいの力を、昼に『人狼じんろう由来ゆらいの力を使うことができる。


 ただし、変身できる時間帯とくらべて、その力はかなり落ちてしまうが。


 ウルフェニックスは機敏きびんみぎうでる。うでにまとわせていたほのおを、空中へとはなった。


 タンポポ色のほのおが、大きな鳥の形へと変わっていく。どくの入ったびん目がけて、一直線に向かっていった。


 そして、空中で追いつくと、ほのおの鳥はびんを飲みむ。


 ほのおの色に変化はない。だが、あれで中身のどくは「浄化じょうか」した。『不死鳥フェニックス』のほのおには、そういう効果がある。


 そのあとほのおの鳥は、ふわりと地面にい降りた。渋滞じゅうたいしている馬車群の前にだ。


 ここから先、金色きんいろかぶとが今と同じことをしてきたとしても、あのほのおの鳥がどくふせぐ。


 銀色ぎんいろかぶとをかぶった二人がとっさに動いた。どちらも小型の刃物はものを持っている。どうやら、木のえだからるされている男たちを、人質ひとじちに使うつもりらしい。


 本当に、性格のわるい戦い方をしてくる。


 ここで金色きんいろかぶと殺気さっきはなった。ウルフェニックスにではなく、銀色ぎんいろかぶとたちに対してだ。


 余計よけいなことをするな、という意味での殺気さっきらしい。


 わるくない判断はんだんだと、ウルフェニックスはひそかに評価する。


 人質ひとじちをとるなら、あの二人を先にたおすまでだ。最速でつぶす。手加減てかげん期待きたいしないでもらいたい。人質の皮膚ひふ刃物はものれた瞬間に、一撃いちげき仕留しとめる。


 そうなるのを予想したからこそ、あの金色きんいろかぶとは仲間たちをせいした。銀色ぎんいろかぶとたちの実力では対応できないと、きちんと理解している。


(さて、どうするか)


 ウルフェニックスの頭に、さまざまな選択肢せんたくしかんでくる。最善さいぜんと思えるのはどれか。


 すぐに答えが決まる。


「あまり時間をかけるわけには、いかないんでな」


 ウルフェニックスは金色きんいろかぶとに笑いかけると、むねの前でりょううで交差こうささせる。


 ストレッチでもしているポーズに見えるだろうが、これは「ある必殺技ひっさつわざ」の初期動作だ。


 さらに続きの動作をおこなう。りょううで交差こうさ解除かいじょすると、体の右側でかまなおした。


 ウルフェニックスのりょううでに、急速きゅうそくに魔力が集中しゅうちゅうしていく。


 そこに全力のさけび声がひびわたった。


「目を閉じろ! 今すぐにだ!」


 地面にたおれている者たちの中に、このわざのことを知っている者がいるらしい。渋滞じゅうたいしている二〇台以上の馬車に向かって、声をり上げている。


侍従じじゅう武官ぶかん時代の部下でもざっていたか)


 その声を耳にしながら、ウルフェニックスは金色きんいろかぶとを直視して、はっきりとげる。


「『こう収束しゅうそく』」


 この瞬間、強烈きょうれつ閃光せんこうが一気に周囲しゅういへとはなたれた。


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