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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第三章

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Σ(゜д゜lll)  コーヒーブレイク(前編)

 テテルはヴァンプラッシュ先生の研究けんきゅうしつにいた。


 研究けんきゅうしつといっても、ここには応接スペースがついている。


 ソファーの上でちぢこまるテテルに対して、


「こんな時間だ。ねむたいかもしれないが、少し説教する。だが、その前に・・・・・・」


 ヴァンプラッシュ先生があたたかいコーヒーを入れてくれる。


かく砂糖ざとうはいくつにする?」


「え、えっと、先生はいくつですか?」


「そうだな、一個にしようかなと思っている」


「じゃあ、私も同じで」


「ミニトマトは?」


「・・・・・・い、一個でおねがいします」


 ヴァンプラッシュ先生はコーヒーにミニトマトを入れるのだ。先生の一族いちぞく、『ホーリーヴァンパイア』の習慣しゅうかんなんだとか。


 で、テテルも「その味がきらいではない」という「設定せってい」にしている。本当は少し苦手なのだが、ヴァンプラッシュ先生の前では「背伸せのび」をしていた。


 先生はミニトマトのはちえから、を一個もぎ取ると、それを専用の器具ジューサーにセット。果汁かじゅうをしぼり、テテルのコーヒーにくわえた。


 さらに自分のコーヒーにも同じことをしている。


「さて、テテル。卒業前のイタズラを今夜、君は決行けっこうしたわけだが」


 ヴァンプラッシュ先生はほとんど表情を変えずに、


こまったことになった。君は『退学たいがく』になる」


 え?


 テテルは目が点になった。


 この学校では、多少のイタズラには寛容かんようだ(ただし、イジメにふくまれるようなものはのぞく)。


 イタズラがばれたあとに、先生からおこられはするけれど、それで終わりだ。成績にマイナス評価がついたりしないし、ましてや『退学たいがく』になんてならない。


 なのに、今回は『退学たいがく』・・・・・・。


(なんで?)


 というのが、正直な感想だ。


「正確に言えば、このままだと『退学たいがく』になる。校長先生がそういうお考えだ」


 テテルには衝撃しょうげきの事実である。


「この学校って、校長先生がいたんですか?」


 これまで一度も見たことがない。てっきりヴァンプラッシュ先生が、校長の職務しょくむ兼任けんにんしているのだと思っていた。


「校長先生は今まで、自分じぶんさがしの旅に出ていたそうだ。学校にもどってきたのは三百年ぶりらしい」


 これは最悪のタイミングだった。もどってくるなり、校長は見てしまったのだ。


 校庭こうていすみに自分の銅像どうぞうがあるのだが、その頭部とうぶを魔法で「大きなたこ焼き」に変えて「ダーツ」を楽しんでいる、四人のとどき者たち。


 ヴァンプラッシュ先生の話を聞きながら、テテルはあせをかいていた。


 あの時はものすごくり上がったので、よくおぼえている。・・・・・・楽しかったな、屋外おくがいでの『たこ焼きダーツ』。


 というか、あの銅像どうぞうのモデルが校長先生だったことを、今初めて知った。


 あれって、なぞのおっさんの銅像どうぞうじゃなかったのか。過去かこ先輩せんぱいたちによる、イタズラの「なごり」か何かだとばかり・・・・・・。


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