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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第三章

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Σ(゜д゜lll)  この学校の『伝説』に(その六)

 テテル対ヴァンプラッシュ先生。


 その勝敗は一瞬で決まる。


 テテルはまったく抵抗ていこうせずに、降参こうさんえらんだ。


 げるのは無理だ。『瞬間移動テレポーテーション』は使えない。


 あの魔法は、先生や他の魔女(『見習い』もふくむ)が近くにいる状況じょうきょうでは、使うことができないのだ。


 そして、自分にはクーほどの脚力きゃくりょくはない。まあ、ヴァンプラッシュ先生が相手だと、クーでも追いつかれそうな気がする。


 戦うのも論外ろんがいだ。自分が勝てるとは思えない。ヴァンプラッシュ先生がものすごく手加減てかげんしてくれるのなら、少しは可能性もあるが、今の状況じょうきょうでは・・・・・・。


 だったら、あっさり降参こうさんするにかぎる。


大人おとなしくついてくるように」


 ヴァンプラッシュ先生が言う。直前までのつめたい雰囲気ふんいきはどこへやら、授業じゅぎょうちゅうと変わらない雰囲気ふんいきもどっている。


 魔法の手錠てじょうなどで、こちらの動きを制限することはしないようだ。信用してくれているのがわかる。


(ヴァンプラッシュ先生につかまったのは幸運ラッキーだったかも)


 そう思った直後だった。


 東の方で閃光せんこうが走る。


 テテルは反射的はんしゃてきに目を向けた。あれはおそらく、スティンクルの『こう収束しゅうそく』。どうやら、彼女も見つかったらしい。


 で、スティンクルは戦闘せんとう選択せんたくしたようだ。


(相手はゾーンビルド先生かな)


 しかし、次の瞬間だった。さらなる閃光せんこうはじける。一回目よりも圧倒的あっとうてきに強い光だ。テテルは思わず目をつぶる。


 耳に小さく聞こえてきたのは、スティンクルの悲鳴ひめいだった。


 数秒後、まぶたの外から明るさが消えたのを感じて、テテルはゆっくりと目を開く。まだ少し目の中にまぶしさが残っていたものの、みじかい時間で回復した。


 その時になって気づく。周囲しゅうい即席そくせきの魔力フィールドがってあるのだ。あの一瞬で、ヴァンプラッシュ先生が展開したらしい。


「目は大丈夫だいじょうぶか」


「はい。大丈夫だいじょうぶです」


 先生の魔力フィールドがなかったら、まだ回復していなかっただろうな、とテテルは思った。


「それなら問題ないな。少しいそごう」


 ヴァンプラッシュ先生のうしろを走りながら、テテルは考える。


 二回目の閃光せんこうでわかった。スティンクルが戦っていた相手。


 彼女の担任たんにん、ウルフェニックス先生だ。


 あの二回目の閃光せんこうこそ、正真しょうしん正銘しょうめいの『こう収束しゅうそく』。ウルフェニックス先生のことだから、生徒せいと相手にかなり手加減てかげんしているとは思うが、あれでスティンクルは戦闘不能だろう。


 あとは、クーとリプリスだが・・・・・・。


 突然とつぜん、テテルは悪寒おかんがした。


 ヴァンプラッシュ先生がふたた即席そくせきの魔力フィールドをる。


 さむけが急速きゅうそくやわらいでいった。今はもう、春のしの中にいるようだ。


 安堵あんどの息をつきながら、テテルは考える。


 自分たちの担任たんにんは四人。ヴァンプラッシュ先生、ゾーンビルド先生、ウルフェニックス先生、そして、もう一人いる。


 先ほどの悪寒おかんちがいない。あの先生も近くに来ている。


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