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カボチャが値上げ、怒りのシンデレラ (Pumpkin price hike. Cinderella gets angry.)  作者:
第三章

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Σ(゜д゜lll)  この学校の『伝説』に(その四)

 四人は思わず息を飲む。


 互角ごかくか、いや、流星の方がうわまわっている!


 左手で流星を受け止めているゾーンビルド先生だが、


出力しゅつりょく上昇じょうしょう! 緊急きんきゅう排熱はいねつ! 補助ほじょ動力どうりょく始動しどう!」


 かなり早口でひとごとをつぶやいている。


 ゾーンビルド先生の背面はいめんからは白い蒸気じょうきが、ものすごいいきおいで排出はいしゅつされていた。先生の後方こうほうにある時計台が見えなくなるほどの量だ。


 しかも、ひだりうでみぎうでえると、その周囲しゅういに新たな魔法陣まほうじんをいくつか出現させている。


 やはり、あれは防御ぼうぎょけい魔法陣まほうじんのようだ。でなければ、流星の威力いりょくうでえきれないはず。


 しかし、あの数の魔法陣まほうじん支援しえんがあっても、ひだりうで周囲しゅういを黄色い火花が走りまわっていた。先生の体がずるずると後退こうたいしていく。


 このまま時計台に激突げきとつしてしまえ。そういのるテテル、クー、リプリス。


 そんな中、スティンクルだけがちがった。


 彼女はいのりなどしない。


「とりゃー!」


 攻撃こうげきてきな魔力をこぶし急速きゅうそく集中しゅうちゅうさせると、流星目がけてち出した。先生をスクラップにするための、アシストをする。


 流星の威力いりょくとは比較ひかくにならない一撃いちげきだが、ぎりぎりでえているところに、最悪のおまけをぶっんできた。


 ゾーンビルド先生が大きく後退こうたいする。


 先生のひとごとがさらに速くなった。


出力しゅつりょく上昇じょうしょう! 制限せいげん解除かいじょ! 出力しゅつりょく上昇じょうしょう! 制限せいげん解除かいじょ! 出力しゅつりょく上昇じょうしょう! 制限せいげん解除かいじょ!」


 普段はおさえているちからを次々と制限せいげん解除かいじょして、どうにかえるゾーンビルド先生。


 先生の排出はいしゅつした蒸気じょうきで、時計台の文字もじばんは見えなくなっている。が、体ごとたたきつけられるのも時間の問題だろう。スクラップへのカウントダウン。


 スティンクルは再びこぶしに魔力を急速きゅうそく集中しゅうちゅうさせると、


「どーしました、せーんせっ♪」


 満面の笑みで、二発目のアシストをち出した。


 ゾーンビルド先生の外見が、特撮とくさつヒーローのような金属スーツなので、彼女スティンクルはまるで悪役あくやくだ。正義のヒーローを始末しまつしようとする、あく組織そしき幹部かんぶである。


 スティンクルはノリノリな声で、


「そんな機能が本当についているのかは知りませんけど、せーんせっ、そのおつむの中ののうみそだけは、『緊急きんきゅう脱出だっしゅつ』させた方がいいんじゃないですか?」


 そういううわさがあるのだ。ゾーンビルド先生の頭は着脱ちゃくだつしきで、緊急きんきゅうには「すぽーん!」とはずれるとか。


 そこでスティンクルは凶悪きょうあくな笑みに変わると、


「でも、そうなった時、私は先生の頭をもちろんねらつし、こっちにはテテルがいるのをおわすれなく。遠隔えんかく攻撃こうげき命中めいちゅうりつは正確無比。先生ののうみそ、撃墜げきついされちゃうかも♪ わーおー、ぼかーん♪」


 そして、スティンクルがむねの前でりょううで交差こうささせる。


 テテルたち三人はまどった。ストレッチでもしているようなポーズに見えるが、これは・・・・・・。


 三人の頭に同じイメージがよぎる。このポーズは、「ある必殺技ひっさつわざ」の初期動作だ。


 ここは彼女を止めるべきか、どうするか。あんなものを使ったら、スクラップを通りしちゃうかも。でも、相手は「最高の防御ぼうぎょりょく」を持つゾーンビルド先生だし・・・・・・大丈夫だいじょうぶだよね?


 三人がまよっている間にも、スティンクルはさらに続きの動作をおこなう。りょううで交差こうさ解除かいじょすると、体の右側でかまなおした。


 彼女のりょううでに魔力が急速きゅうそく集中しゅうちゅうしていく。さっきの二発とは比較ひかくにならない量だ。


 これは、スティンクルの担任たんにん、【ウルフェニックス】先生が使う必殺技ひっさつわざだ。その見よう見まね。


 このわざ彼女スティンクルは、学年末の模擬もぎ戦闘せんとう試験しけんで、ゾーンビルド先生に「かすりきず」をわせている。


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