第94話 発表会① 臭い頭
そうして日々はあっという間に過ぎ、迎えた発表会の当日。クラスメイト達は緊張しながらも先生の前で自身の魔法を披露する。大体は基本属性が多く、炎、水、風、地、雷などの属性が多くみられていた。それおれの属性を、各々が出来る制御を形にして見せていく。一人で何かを表現するもの、攻撃魔法を防御する様子を見せる者、逆に攻撃するもの。個性がその場で晒されていく。
「そんじゃ、イヴリン、行きますか!」
「う、うん」
イヴリンは話に合った通り、メーヴィスと協力してお互いの発表をするようだ。見ていると、イヴリンの運命属性でメーヴィスに鳥のフンを落とす運命に操作し、それを重力属性によって回避するというものだ。それはつまり、魔法制御の綿密さ、魔法の効力をより強くするための技術、魔力の総量操作などの力比べに等しく、確かに見る人によっては様々な評価をすることが出来る物だった。
鳥のフンはメーヴィスの頭上に落ち、それを重力属性によって落下しないように浮かせたりする。
最終的にはメーヴィスの息切れにより、頭上ど真ん中に白い雨粒を受けたのだった。
純潔一族以外のクラスメイト達は彼女たちの喜劇に以外にも寛容で、笑いを起こして二人の発表はそれなりの盛り上がりを見せた。その状況だったためか、メーヴィスとイヴリンは笑顔で私たちの元へと戻ってきた。
「オズ~水属性で頭綺麗にしてよ!」
「後でにさせてくださいよ。今自分のことで集中してるんですからね」
「イヴリンも結構やるんだな。今度俺とも魔法の練習しないか?」
「う、うーん。考えとくね」
そんな会話を彼らがしていると、次はアーネストの順番になることに気づく。彼は私の肩を叩き、合図をしたのだ。私は頷き、彼と一緒に発表の場へと歩いていく。