第87話 その時期
純潔一族の文化の闇を見たあの日から1週間ほどが経つ。あの破壊された校舎はしばらく立ち入り禁止となり、迂回路が案内された。魔法で応急処置をしたようだが、細かな修理などはこれから時間をかけてやっていくとのことで、あれを引き起こした原因究明や犯人捜しについては表に出てこなかった。ジーク達は、純潔が関わっていると大体は曖昧のままにされて終わるらしく、こういうことかと私は興味ないなりに嘆いたのだった。
今日は快晴、ここ数日の雨をか分かるほどの陽気な天気で、元気のなかった人間たちは解放感と共に声高らかに友人たちと話している。私は空を眺めながら、魔法実習の授業に出ていた。
わざわざこの授業に出ずとも、魔法は実践で何度も扱っているし、家族からも教わっているので、そこまで必要性を感じていない。欠席扱いにならない程度に雑に過ごしていた私だったが、今日の発表により、雑に扱うことも出来なくなった。
担任でこの授業の私たちのクラス担当のエルディン先生が告げた。
「はい、そろそろこの授業で学んだことを実践形式で確認しようと思っています。内容としては、自由に魔法を使って今の自身で出来る表現をしていただきます。一人でも良いし、友人を活用しても良いです。過去には戦いたいクラスメイトと勝負をすることもありましたね。その場合は先生が審判に入って安全に実行出来るようにします。開催時期は1週間後にします。よろしくお願いしますね」
エルディン先生の言葉に、クラスメイトの誰かが声を出す。
「先生! それってつまりテストってことっすか??」
「テスト、というほどきっちりはしていないです。ただ、成績に影響はすると考えてください。今の皆さんの技術、実力を把握するという意味合いであると考えてくださいね」
私の興味は、空から一気にその実践形式の物に切り替わった。