第86話 日常へ還る
「さて、ジークも見つかったし、あの純潔に見つかる前にオズマンド達と合流して帰ろうか。全く、今日の放課後はひどい日だったね」
「そ、そんなにひどい状況だったんだ……」
「下手したら誰か死んでたかもな」
「そうだね。少なくともそれがジークじゃなくて良かった」
「本当に思ってるのか? 他人にあまり興味を持たないアルマリアが?」
「ひどいな。私だっていつもそんな薄情な人間とかじゃないよ。ジークが無事で安心してるんだからさ。本当に」
「……そうなのか。そりゃ、心配してくれてありがとな」
「むむ、これは、もしや、もしかして?」
私はオズマンド達が探しに行った方向へと歩き、イヴリンとジークは後に続く。そうして繰り出される会話は、いつもの日常へと戻っていた。イヴリンも関りは最近でも、ごく自然にジークと話しをすることが出来ており、すでに馴染んでいた。
私は、今日起こった文化の闇を忘れることはないだろう。純潔一族に従属する一族がこの国には多くいて、その人たちは純潔の言葉に隷属的。問答無用で人を襲うのだ。私はそこに対して、空のような自由を求める気持ちを、抱くいていくのだった。