表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/167

第85話 優しさとは

「何してるも何も、ジークを探しに来たんだよ。元の場所に戻ったらいないしさ。心配したよ」


 私とイヴリンはジーク達の前に歩み寄る。ジークは真顔でいるが、少しだけ柔らかい雰囲気を纏っている様子だ。フィオレは私の顔をチラチラと見て、私が視線を向けると顔をそむける。


「フィオレが回復魔法をかけたんだよね。流石は植属性の天性だね」

「そんな、大したことは、してないよ。えっと、私、そろそろ帰るね。ジーク、今日はちゃんと寝てよ」


 フィオレは足早に去ろうとする。そんな彼女の背中に、ジークは声をかけた。


「フィオレ。ありがとな」

「……うん」


 フィオレは振り返らずに声だけで返事をして、その場を去った。その背中は少し寂しそうに見えた。


「フィオレ、アルマリアがいるとすぐに離れようとする。小学部でも一緒に遊ぼうとしても頑なだったな。仲悪いのか?」

「私は仲良くしたいんだけど、避けられてる気がするんだよね」

「あいつ、優しいし人を嫌わないタイプだと思ってるんだがな。思い違いなのか」


 なんとなく私は原因については察してはいるが、根拠がないので表に出さない。恐らく彼女も表に出さないだろう。表に出るまでは原因不明ということでやっていくつもりだ。


「じ、ジークの怪我は、大丈夫?」

「ああ、イヴリン。フィオレの回復魔法で傷の対応はしてもらった。後は痛みが引くまで我慢だな」

「我慢、大変そうだね」

「大丈夫。痛みには慣れてるさ」


 フィオレの回復魔法は大人顔負けの技術だと聞いている。それも恐らく、ジークに対してだけの効果なのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ