第76話 最悪の再会
「いや~緊張したわ~。急に上級生に呼び出されて、しかもそれが生徒会なんてさ」
「ええ、流石に私も驚きましたね。メーヴィスがあんな言い方して肝が冷えましたよ」
「もう、オズは心配性なんだからさ! 流石に先輩で生徒会の人たちにやばいことは言えないよ!」
私たちは生徒会室を出て階段を下りながら、呑気に雑談をしていた。その穏やかな空気は、3階の踊り場に着いた時に消え失せる。
2階に降りようとすると、階段の下の方に男たちが2人、腕を組んで私たちを睨んでいた。私たちは別の階段から降りようと思い、廊下に戻ると、2方向にも人が立っていた。その片方には、さきほど生徒会が止めた、純潔一族が腕を組んでこちらを見ていた。
「よう、さっきぶりだな一般人。生徒会に俺たちに悪行をチクって正義面か? どんな気分だよ正義の味方ってのはよ」
釣り目で睨み、薄いオレンジ色のミディアムの男はそう言い、私たちを見下すようにしながら言う。
「気分も何もないよ。あのまま見て見ぬふりするのは気分悪かったから、そうならなかっただけかな」
「嘘つけ。正義の味方に浸って気持ちよくなってただろ。くそ卑しい一般女がよ」
「仮にそうだったとして、だから何? 私だどんな気分でいようと、あなたには関係ないと思うけど」
「いいや、関係あるね。お前が気分良くなるために俺が気分を害されてんだよ。一般人が純潔の邪魔してんじゃねえぞ」
彼は怒鳴る。同時に彼は炎属性魔法を発動し、肩に炎の鳥を出現させる。
「だから、これからこの俺、グラノルス・シルウェリウスが気持ちよくなれるゲームを始める。一般人狩りさ。獲物は……当然お前たちだ」
空気が一気に張り詰めた。