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第74話 大した理由

 道中は誰も話さなかった。聞こえるのはグラウンドから聞こえる部活動の掛け声と階段を上る足音だけ。その部屋があるのは校舎の4階、生徒会室だ。中は普通の教室と同じくらいの広さで、作業できるようなデスクや大量の資料が入った本棚など、いかにも生徒会が活動しやすそうな設備が整っている。私たちはほぼ中央に置かれたふかふかなソファに促され、重力に従うように腰を鎮める。向かい側にその生徒会の3人が腰掛け、私たちのことを選定するように見ていた。


「それじゃあ、まずは自己紹介からしようか。僕はフレッド・ノルリリウス。今の生徒会会長をしている。僕の右手にいるのが副会長のアーソリン、左手にいるのが書記のラフィゴ。二人とも優秀な生徒会役員だよ」

「はあ、そうですか」


 私はついそっけない反応を示してしまう。私の興味は生徒会の人たちについてではなく、なぜ連れて来られたのかに傾いているからだ。


「そんで、あたしたちを連れて来たのってなんか意味あるの? 一応ついてきたけど、理由がくだらない感じならさっさと出てくよ」

「メーヴィス。先輩に向かったそんな聞き方はやめてください」


 メーヴィスが素直な意見をはっきりと示し、はっきりしすぎた言い方に驚いたオズマンドは彼女を諭す。私は彼女に続いた。


「私も理由気になります。何か謝ることがあるのか、重大な規則違反をしてしまったのか、それとも……」

「いや、君たちを呼んだのはそういう類のものじゃないんだ」


 フレッド生徒会長は私の言葉を遮る。そして、彼は続けてこういった。


「さっきの純潔一族に挑む君たちの姿を見て一瞬でピンときたんだ。君たちに、生徒会に入ってほしいんだよ」


 私の興味は完全に失せた。

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