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第70話 意気込み
空が青く澄んだ放課後。私は家の屋上で寝転がりながら空を眺めていた。入学してからそれなりに時間が経ち、授業も滞りなく予定通りに進んでいるらしい。そしてあと少しで中間試験があり、その後すぐに期末試験が控えている。私の授業の理解度は、まあそれなりだが、油断をすると赤点を取ることは必至だろう。私は大きく空気を吸い、心のもやもやと共に大きく吐き出した。
「まあ、流石に赤点連発は、まずいよね……」
自分自身に言い聞かせるように、ぼそりと呟く。旅人を目指すなら最低限の知識がないと生きていけないだろうし、なにより、夏休みを楽しむために必要なことだと考え、明日からはちゃんと授業は集中しようと考えたのだった。
これから始まる生活は、夏に向けた私の梅雨明けへの道しるべだ。