表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/167

第64話 クラスメイトのお願い

「えっと、アルマリアさん、こんばんは」

 

 その少女は私の名前を呼び、控え目な笑顔を私に向ける。私は見覚えがあまりない人だったため、すぐに反応が出来なかった。


「あれ、もしかして、覚えてない? その、同じクラス、なんだけど……」

「同じクラス……ごめん、あんまり覚えてないんだ。多分、自己紹介の時もぼうっとしてたから、その、気を悪くさせてごめん」

「ああ、いえいえ、大丈夫です。それじゃあ、改めて自己紹介しますね。わたしはイヴリン・ベネトルケと言います。特になんの特徴もない一族なので、目立たないのは仕方ないですね。特に今年は純潔一族が多いと聞きますし……」

「イヴリンね。改めてよろしく。私は――」

「大丈夫です。知ってますよ。アルマリアさん」

「ああ、そうだったね。私の自己紹介はちゃんと覚えてくれてたんだね。ありがとう。それで、イヴリンも夜散歩でもしてたの?」

「え、ええ、そうですね。そんな感じです。でも、ちょっと助けてほしいことがあって」

「助けてほしいこと? 誰かに追われてるとか?」


 ほぼ冗談のつもりで言ったのだが、私の言葉を聞いて彼女は静かに頷く。そして、彼女は私の手を引っ張り、歩き始める。私も彼女の後方に位置取り歩く。


「実は、私の天性属性を狙って、悪い人たちに目を付けられてしまって。今も追われてるんです」

「そうだったんだ。もちろん力になるよ。あんまり戦闘得意じゃないけど」

「そんな謙遜しないでください。アルマリアさんの実力は結構広まってるんですから。魔物の群れの襲撃を撃退したこと、結構広まってます」

「ああ、そういえばそんなことあったっけ」


(ちょっとやりすぎたな)


「なので、ちょっと手伝ってほしくて。一緒に悪い人たちを撃退したいんです。お願いできませんか?」

「それは大丈夫だけど、出来るかな?」


 いくら魔物の群れを撃退したと言っても、人と魔物ではやはり勝手は違うはず。そう上手くいくものだろうか。私の疑問に、彼女は弱弱しい声で、自信満々にこう言った。


「大丈夫です。わたしの天性属性は、運命を操りますから」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ