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第63話 運命の出会い

 輝く街は夜も長く、大人たちの時間に変わっていく。私はそんな夜の世界を星々の灯の下で眺めるのが好きなのだ。

 

 私はいつものように部活で空を観察し、みんなと別れた夜。私は夜ご飯を済ませ、夜の街散歩に繰り出した。両親からは夜の時間は遠くへ行かないように言われているが、中学生の好奇心を舐めないでほしいと思う。私は薄手のパーカーを羽織り、フードをかぶって歩き出す。

 夜はまだ少し冷える時もあるが、もう時期的にそこまで冷え込むことはない。そういう夜は湯浴びして夜風に撫でられながら歩くのが至高なんだと、小学5年生の時に気づいたのだ。私は大きく深呼吸し、足早に歩いていく。


「おい、見失ったぜ。何やってんだ」


 歓楽街の大通りを歩き、建物の光を眺めていると、ふとそういう会話が聞こえてくる。いつもは興味のないことは頭に残らないのだが、私の直感が、この会話は聞くべきだと思ったのか、その男たちの声が気になった。声のする方を見ると、男たちが数人、端の方にいて会話を続けていた。


「あの女子を売れば相当な金になる。あんな天性属性を持った奴はそういねえ。あいつの天性属性を欲しがる裏社会の組織達は多いぜ。高い金払って情報屋から聞いたんだ。今さら引けねえ。さっさと探せ」


 そう言って男たちは大通りから幾重にも繋がる小道へと消えていった。


「あ、あの……」


 その時、私の目の前から声が聞こえた。弱弱しく儚げな声のする方に目をやると、そこには、黒のミディアムヘアの少女が、私のことをじっと見ていた。

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