表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/167

第61話 その力

「……二人とも、大丈夫? 怪我してない?」


 私はジークとアーネストに歩み寄り、様子を伺う。どうやら二人とも魔法による防御をしたのか、致命傷はなく、吹き飛ばされた時に着いたと思われる、擦り傷が多く刻まれていた。


「ああ、大丈夫だ。全く、アーネストが邪魔しなきゃ一人でも勝てたんだが」

「おいおい、この期に及んで人のせいにする気か? そんなだから長年嫌われ一族として慕われるんだ。素直に言えよ。純潔である僕の邪魔をしてしたとな」


 二人仲良く吹き飛ばされたにも関わらず、こんな罵り合いが出来るのなら、特に問題はないのだろう。


「はいはい、もう済んだことだし、言い合いしない。ほら、依頼はもう終わったんだし、戻ろうよ」

「ああ、そうだな。依頼の報告は依頼を受けたアーネストが行くだろうし、俺たちは教室に戻ろう。エルヴィラ達に色々と言われるだろうがな」

「……その前に一つだけ、良いか?」


 やはりアーネストは私の扱う魔法属性について追及を止めないらしく、立ち上がって私の方を見る。私はもう彼に隠す気もなく、彼と向き合う。


「うん、どうしたの」

「アルマリア。君の天性属性について、どうしても、どうしても気になることがあるんだ。だから、聞かせてほしいんだ。僕の疑問について、答えてほしいんだ」

「分かったよ。それで、何を聞きたいの?」

「君の天性属性は、少なくとも風魔法じゃないと思っている。さっきの攻撃を見て、核心した。僕は君のが使う属性について、あの屋敷であった古代文明人の日記に似たような記載があった。ある程度は読み解ける僕が見たところ、――それは、空を操る偉大な力だとあったんだ。もしかして、君のその属性は、それに近いものなんじゃないか?」


 私は少し口を閉じる。しかし、意を決し、彼の真っすぐな好奇心の目に対し、こう言い放った。


「そうだよ」


 私はついに認める。本当は認めてはいけないのだが、ここまで勘付かれているのなら、もうバラした方が良いと判断したのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ