表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/167

第59話 あと少しの真実

「今のアルマリアの魔法は、ただ風魔法を撃ち出しようには見えなかった。自然に起きたはずの強風を使って発動したように見えた」

「……まあ、たまたまそう見えただけじゃない? そもそも、私のその属性について議論することに意味ってある?」

「意味はない。ただ、僕の好奇心と疑念を解明したいだけだ。あの日、アルマリアに敗れた時のあの魔法。あれはただの属性魔法なんかじゃない。魔法同士のぶつかり合いには必ず魔力の衝突があるが、あの時にその衝突はあまり感じられなかった。それは、つまり――」

「自然界に発生する現象に近い力だった、と言いたいんだろ」


 ジークがアーネストの言葉を遮り、言葉をかける。


「ああ、そうだ。自然発生した現象は魔力を用いた防御はほぼ通用しない。大自然に対して結局人間は無力だってのは一般常識だ。そして、僕はあの時感じたこと……」


 アーネストは一呼吸置き、続ける。


「アルマリアの魔法はその自然現象そのものに近いものなんじゃないかってことだ。そして、僕はあの屋敷にあった文献で、それに近い属性の記述を、たった一度だけ見たことがあるんだ。もしかして、アルマリア、君の天性属性は……」


 彼が核心的なことを言うその瞬間、近くで恐ろしい魔物の方向が鳴り響く。急な大音量の雄たけびに驚いた私たちはその声の方向へと目を向ける。すると、茂みの奥から、先ほど倒していたリザードマンの下位種よりも体つきがしっかりとして、よく切れそうな剣と重々しい盾を持ち、鋭い眼光をこちらに向けるリザードマンがいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ