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第52話 社会の形 2

「まず、アルマリアは純潔一族が何かを理解しているか?」

「まあなんとなくで理解はしてるけど、正直よく分かってないや」

「それじゃあそこから説明するか。純潔一族って言うのは、古代文明時代に活躍した人たちの直系一族のことを言うのさ。古代文明時代、魔法というものを世界に広め、この国を作った。彼らは皆が偉大なる魔術師で、その力と名声、富を維持するため、決められた一族同士で子孫を残し、その優秀な血を継続させることを決めた。今に続く血の一族のことを純潔と呼び、この国の貴族として君臨している」

「なるほどね。魔法というものを広めてこの国も作った人たちの子孫ってことか。そう思うと、エルヴィラもすごい人たちの子孫なんだよね」

「そうだ。普通は俺たちみたいに気軽に話していい存在じゃないのさ。ただ、エルヴィラの一族は数代前から、いわゆる庶民に対しても差別的に接さないという方針を打ち出したから、まあそれが影響して彼女もフレンドリーに話しかけてくれるんだろう」

「となると、アーネストや、あとジークが入学式にいざこざを起こした純潔の人たちみたいに、庶民を見下すような態度が基本的なんだ」

「まあシンプルに考えるならそれでいいんだが。俺に対するいざこざについては、もう少し違う視点も影響してる。純潔一族は古代文明時代に国を作ったが、その建国の時、合併された街々に先に住んでいた人たちもいたわけだ。つまりその人たちの子孫が、俺たちってわけだ。純潔一族は俺たちのことを準貴族と呼んで、当時の労働力として働かせた。準貴族たちも魔法の扱いに長けていたが、純潔一族は準貴族を下等一族として扱い、そしてこの国は発展したのさ。その発展させた歴史があって、多くの移住者や一族が暮らすようになった今は、準貴族は下に扱われることはないが、純潔一族からは変わらずの認識で扱われてる。だから純潔にとって、準貴族から何か言われたりすることが我慢ならないのさ」


 なるほど。だから純潔一族のアーネストや入学式でジークと喧嘩していた人は、準貴族であるジークに対して当たりが強かったのだろう。聞けば聞くほど、エルヴィラやレティシアの態度が純潔一族にとって一般的ではないことがよく分かる。ただ、それがなぜ部活動の勧誘に影響するのか、まだはっきりと繋がっていない。次はそれをジークから聞くことにした。

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