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第50話 少し遅れた学生生活の始まり

 晴れ渡る空。授業終わりの放課後。部活動が本格的に始動し、あらゆる場所から学生たちの部活動の声が鳴り響く。そんな世界の中、私たちはある部室の一部屋に居た。広くはなく私たち4人が入って少しいっぱいになる程度の広さで、少ない窓を全開にして換気している。


「それで、天文学部の復活を考え始めてから1週間くらいはたったけど、今どういう状況になってるのか、再確認しようか」


 私はその場にいる全員にそう言う。そして、一番状況を理解しているエルヴィラが、この状況の説明を始めた。


「分かったよ! えっとね。結論から言うと、正式にはまだ部活として復活はしてないんだ! あと一人、部員として入らないとダメなんだよね! それで今まで勧誘してきたけど、うちのクラスはすでに他の部活に入部決めていて兼部は断られて、他のクラスの子たちもあまり良い反応はなかったから、まだ部員は見つかってないって状況かな!」

「それで、一応純潔一族であるエルヴィラが入部希望ということもあって、仮復活という形で学校から許可をもらって、こうやって部室をもらって活動は出来るようになんとかしたってことだろ」


 あのアーネストが起こした事件から約1週間弱。部活動を全く考えていなかった私に、エルヴィラはある提案をしてくれた。それは、今は廃部になり存在していないが、過去に天文学部をという部活動が存在していたことを知ったようで、それを復活させて活動しようという提案だった。私が空が好きであることを知っており、私の興味に合わせて提案してくれたらしく。私は即答で彼女の提案に乗ったのだった。ジーク、オズマンド、メーヴィスもどうやらこの提案に賛同していたらしく、すでに部員として名前を書類に書いていた。その復活のために動いている中で、出ていた問題が、今エルヴィラが言っていたものだったのだ。


「まあまだ期限はあるんだし、部活しながら探せば良いじゃん? ほら、今日もいい天気なんだし、のんびり眺めるのに良い空なんじゃない?」

「メーヴィス。時間をかけていれば解決するようなものじゃないと思う。このまま見つからなかったらまた廃部になる可能性だってあるんだ。ちゃんと本腰入れて対策を考えていかないとね」


 メーヴィスとオズマンドはお互いの意見を言い合う。私は彼らの言葉を聞きながら、窓から見える空を眺めていた。


 これは、私が中学部で初めて迎える、大いなる青い夏を迎える前の、ほんの少しの出来事となる。

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