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第44話 遅かった言葉

 アーネストはすぐに立ち上がり、体勢を整える。流石にたったあれだけの攻撃では意味がないのだろう。彼の目は今まで見た中で最も怒りに満ちているように映った。


「ふん。攻撃を当てたからっていい気になるなよ、無名の一族」

「大丈夫。全く余裕はなかったからさ。それにしても、流石は純潔一族だね。その戦闘の才能こそが、血の存続をきつく縛っている目的なんだね」

「戦闘のセンスだけじゃない。あらゆるセンスについて、古代より引き継がれてきているのさ。その血を存続させ、この国の未来を支えていくんだ」


 私は牽制のために水属性の小魔法を使い、シンプルな弾にして継続的に彼に撃つ。彼も、息をするように軽く地属性でいなし、会話を続ける。


「確かに、オリヴィンの親は偉大なる規則を破って自由恋愛をし、結婚した。それで生まれた奴が、国王様に認められるほどの実力を持っているのも、まあ事実なんだろう。でも、それは奴だけで終わる。現に、奴の妹は僕との戦いに敗れて……」

「あのさ、さっきから偉大なる規則とかの社会的な目線でしか話してないけど、君始点の気持ちとしてはどうなの?」

「……」

「君のその怒りって、もっと他の気持ちも入り混じっているように感じるんだよね。別に知りたいってことじゃないけど、なんだか、君のこの行動を起こした想いの中に、他に強い感情があるんだろうなって、感じるんだ」

「……だったらどうなんだ? それをお前に話して、何か解決するのか」


 彼は地属性の中魔法で剣を作り、それを私に投げつける。回転しながら飛来する地属性の剣を、私は水属性の盾で防ぎながら、続ける。


「解決はしないだろうけど、でも、気持ちはすっきりするんじゃないかなって」

「すっきり……」

「そう。なんか、言葉で吐き出せる場所がないから、吐き出してすっきりと自分自身を納得させるために、行動に出てるのかなって、なんとなく思っただけだよ」

「中学になりたての奴が、何分かったようなこと言ってんだ! もう手加減しない。これで終わらせてやる!」


 そう言い、彼はいくつかの小魔法を準備しながら、目をつぶり、何かに集中し始めた。そして、その祈りと畏敬の念を込めた言葉を唱え始める。私は買えrの詠唱を止めようと速度の速い風属性の弾丸を飛ばすが、準備されていた小魔法により防がれる。


「『唸り上げる大地の胎動、我が意志と応え破滅を望む。ソアディタミネーション・ガイア!』」


 彼が発動した地属性の大魔法は、神話に残る神の名を以て発動し、その大いなる力は私に向けられたのだった。

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