第148話 襲撃の障害
フィールドを見ると、大体のこの障害物競争の内容が垣間見える。サポーターは競技場の中の外側に居て並走し、魔法で走者を支援するのが役目らしい。競技上の内側にも明らかに審判とかではない生徒たちが数人、集まっていた。状況から見て、彼らがどんな役目でそこにいるのか、何となく理解してしまう。恐らくこれも、ソルベルクの差し金なのだろう。一体何をしていのか、その意図が私には全く理解できない。ただの楽しみになのか、それとも……
「アルマリア! 始まるよ! 準備して!」
メーヴィスの声で私は周りの状況に気づく。他のクラスも準備が終わり、スターターがスタートの合図を構えていた。そして、その合図はフライングなくスムーズに鳴らされた。
合図とともに走り出したメーヴィスは、スタートダッシュに成功し、トップのまま最初の障害物に差し掛かる。障害競技は平均台渡りだ。一本道の細い台を渡るものだ。だがその道中には地属性の障害があって、破壊しないと通れない。メーヴィスは脅威のバランス感覚で平均台をすらすらと歩き、地属性の壁の前に止まる。メーヴィスは重力属性で破壊しようとした瞬間、彼女の方に炎の球が飛来するのが見えた。
「危ない、メーヴィス!」
私は水属性の球を発動して応戦し、相殺した。
「障害って、魔法攻撃も含めるのか!」
メーヴィスは呑気にはしゃいでいる。サポーターの役目を果たすため、私は魔法を準備した。